【ヒプマイ】1週間後にもう一回死ぬっぽい

一か八か ページ16

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神様が私にくださったものは【カツラ】と分厚い【コート】だった。



今の季節、このコートを着ていても怪しまれる暑さではないため、さっそくだかこっそり着てみた。



(大きいな)



そして黒髪のカツラを被る。そのカツラは女性のボブカットより短いものなので、男用のものだといえる。



装って分かった。



まわりからどう見えるかは分からないが、おそらく女には見えないだろう。



やったこっちからして【男装】したみたいだった。



まあ、この格好で男になれるんだったら、履いてきたのがスカートではなくズボンでよかった。



そもそも、私にはスカートを履くような乙女心はないし、"彼ら"にヒラヒラしたものは履かないように言われてきた。



───「ナミには似合わない」



言われた途端、小さい頃親に「あれはダメ」「これはダメ」と好奇心を否定され続け、あれはしちゃダメなんだと自由を制限された気分になった。


しかし、私は約20年。人間の寿命を100として5/1は生きてきたつもりだ。



その意味が



「(他の男に見せたくない)」



とはっきり聞こえた訳ではないが、数々の恋愛ものを見てきた者ならば、そう言っているように聞こえても過言ではない。



(しかし、好きでもない男に言われてもな･･･)



【無】に目覚めた私はスカートのことも"特になんとも"思わないで終わってしまう。



まあ、結果としてはズボンのほうが動きやすいし全然いい。



(さて････)



着てみたはいいものの、これは【着ただけ】にすぎない。



身分証も同じく持っているだけだ。



服装と見た目が変わっただけで中身は"私"だ。これをどう誤魔化そう。



前髪を鼻まで伸ばして考えていると･･･ふと、ポケットに違和感があることに気づく。




(これは･････)





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