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いつもの朝。いつものようにアラームが鳴るよりも早く目が覚めて、朝ごはんという名の残り物を少しだけ食べる。
接客業のため、見た目はそれなりに綺麗にしていく。顔を洗って服を着替え、髪を整える。化粧は少しだけしているけれども、お金がかかるためあまり使いたくない。
軽く粉をまぶして荷物を持ち、玄関へ向かう。靴を履いて、ドアを開けると眩しすぎる朝日―――…
「あ、A。はよ」
――…と、朝からは眩しすぎるような赤髪と琥珀色の目。
「空却くん、おはよう」
そう返すと空却くんは満足そうに笑う。
空却くんが空いていた私のアパートの隣に越してきてから数日。未だに隣に誰かがいる、という感覚に慣れない。
そもそもなんで空却くんが隣の部屋に住むことになったのか。それは、あの一郎の誕生日の夜の帰り道がきっかけだった。
―――
「そういやA、テメェ家はどうすんだよ」
「………いえ」
正直に言う。空却くんは一体なにを言って…?
首を傾げた私の隣で一郎も眉を寄せて深刻そうな顔をしている。え、わかんないの私だけ…?
ますます首を傾げる私に一郎が説明してくれる。
「空却に聞いた話じゃ、姉ちゃん職場特定されてたって聞いたし、家の方も住所割れてんじゃねえの?ってこと。アイツらは俺らがシメたけど、危険なのは変わらねえし…」
「…つまり、引っ越さなきゃいけない、ってこと…?」
話を理解した途端顔が青くなるのが自分でわかった。だって、そんなの、
「お金…ない…」
俯いて小さく呟く。一郎も顔をしかめていたけれど、「姉ちゃんの命には代えらんねえよ」なんて言う。
暗い空気になったとき、ふと空却くんが口を開いた。
「なら、拙僧がAンとこ越すか」
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更新…サボってましたハイスミマセン…そしてミスって編集してしまってランキングのってましたね…ハハ……期待させてごめんなさい
あと簓さんとか左馬刻さんとかお誕生日おめでとうございます。今年も無事に最推しチーム(新生MCD)全員祝えて月宮は満足です。
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りんご - 滅茶苦茶面白いです...!今更ながら、更新待っています! (3月30日 11時) (レス) @page19 id: 76f76e1010 (このIDを非表示/違反報告)
ぱい - 面白すぎ!話にスルッと入れる神作品!更新待ってます! (2022年6月23日 20時) (レス) @page19 id: 0c35d3b667 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔(プロフ) - 悠希さん» ありがとうございます!い一気読みお疲れ様です…!いやぁ、お兄ちゃんしてる一郎くんを公式で見てると、つい甘やかしたい欲が働いて可愛くなっちゃうんですよね…()これからも頑張ります!! (2021年8月14日 9時) (レス) id: 9e4a60ca3b (このIDを非表示/違反報告)
悠希(プロフ) - 今日この作品見つけて一気読みしましたw一郎くんめちゃ可愛いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 84d16d7788 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔 - Reiさん» ありがとうございます!Rei様には何度もコメントをいただき、私もう超感激です…!これからも頑張ります、ありがとうございます!(非ログ垢から失礼いたします) (2021年8月12日 20時) (レス) id: 40534f6bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月宮 朔 | 作成日時:2021年8月12日 17時