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「おい、テメェ。何1人で突っ走ってやがる」
「…は？んだよ、姉ちゃんが危険かもしんねえんだよ。離せ」
空却を睨みつけるも、腕は離されない。むしろ、力が強くなっている気さえする。
「そんくれえ、拙僧もわかってる。ちげえよ、んで拙僧を頼らず1人でやろうとしてるっつてんだ」
「……」
一瞬、空却が何を言っているのか理解ができなかった。
それくらいもとから、俺には空却を頼るという選択肢があることを知らなかった。
ポカンと黙ってしまった俺に空却はため息をつきながら静かに腕を離した。その手の動きを目で追ってると、目も止まらぬ隙に俺の胸倉を掴んだ。
「おい、よく聞け一郎。拙僧はな、テメェを助けたいだとか、可哀想だとかンな節介な目では見てねえんだよ。ただ一郎、テメェの男気に惚れたっつてんだ。拙僧はテメェを認めた。テメェについていくことを選んだ。拙僧の意思で、だ」
空却に睨みつけられる。俺よりも小さい体なのに、なぜかそれを振り払えなかった。
「拙僧の言ってることわかるか。テメェが1人で突っ走ってったら拙僧の意味がなくなるじゃねえかよ」
掴まれている腕の力がだんだんと強くなる。空却から目がそらせなかった。
「いいか、一郎。テメェは少しくらい頼ることを覚えやがれ。1人で片したって、拙僧は…Aは、喜ばねえんだわ」
「…でも、姉ちゃんは、俺の家族で、空却は、…」
「はあ？何馬鹿なこと言ってんだよ」
空却が手を離し、二ッと口角を上げた。
「ンなの、拙僧がテメェのダチだってだけで、関係ありまくりだっつーの」
楽しそうに笑う空却。つい最近まで、姉以外との関係を断ち切って。それどころか、もう姉ちゃんとの繋がりまで消してしまおうとしていた俺は、1人に慣れすぎていた。
空却が自分勝手だとは少しだけ思う。いきなり俺の前に現れて、殴り合ったと思ったら認めただとか言っていつも俺についてくる。
なぜか知らねえけど、姉ちゃんとも仲良くなって、俺の誕生日にズカズカ入り込んできた。
それでもおれは、不思議と、それが不快だと感じなかった。
それが、ダチだというのなら。それが、頼る理由になるというのなら。
「……空却」
小さく発した声に空却が返事する。
「…手伝ってくれ」
そんな俺の言葉に、空却は満足そうに笑った。
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りんご - 滅茶苦茶面白いです...！今更ながら、更新待っています！ (3月30日 11時) (
レス) @page19 id: 76f76e1010 (このIDを非表示/違反報告)
ぱい - 面白すぎ！話にスルッと入れる神作品！更新待ってます！ (2022年6月23日 20時) (レス) @page19 id: 0c35d3b667 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔(プロフ) - 悠希さん» ありがとうございます！い一気読みお疲れ様です…！いやぁ、お兄ちゃんしてる一郎くんを公式で見てると、つい甘やかしたい欲が働いて可愛くなっちゃうんですよね…()これからも頑張ります！！ (2021年8月14日 9時) (レス) id: 9e4a60ca3b (このIDを非表示/違反報告)
悠希(プロフ) - 今日この作品見つけて一気読みしましたw一郎くんめちゃ可愛いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2021年8月13日 22時) (レス) id: 84d16d7788 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔 - Reiさん» ありがとうございます！Rei様には何度もコメントをいただき、私もう超感激です…！これからも頑張ります、ありがとうございます！(非ログ垢から失礼いたします) (2021年8月12日 20時) (レス) id: 40534f6bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月宮 朔 | 作成日時：2021年8月12日 17時
