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「え…なんで三郎…」

「ぁ……ご、めんなさい…お姉ちゃん…」

「Aちゃんよかった!三郎くんが……」


思わぬ出来事に固まってしまう私と、私を前にして俯いて謝る三郎。そこへ三枝さんも来た。

…正直、何が何だか。なんで三郎がここに、学校は今日もあるはず、現に文書店の勉強スペースに三郎のランドセルが置い


「Aちゃん」

「っ…、あ…さぶろっ、どうしたの?何かあった?」


三枝さんの声にハッとして三郎に寄る。けれど三郎は俯いて首を横に振っただけだった。

三郎の顔は今にも泣きだしそうで、唇を噛んでそれを必死に耐えているようだった。


「ごめんなさい…Aねえ…がっこう…」

「さぶろう…?」


三郎が震えた声で、ごめんなさいと繰り返す。目に溜まった涙は今にもこぼれそうで、抱きしめることしかできなかった。

抱きしめたまま頭を撫でていると鼻をすする音が聞こえる。話を聞きたかったけど、今の状態ではそうもいかない。ひたすらに頭を撫でていると、傍にいた三枝さんが私に言った。


「Aちゃん。今日はお休みね」

「えっ」

「三郎くんの側にいてあげなさい。自習スペース、自由に使ってくれていいわよ」


「でも…」と言いよどむ私を三枝さんがじっと見つめる。

今、私は“姉”であることを求められている。

そう気づくと三郎を抱きしめる腕に力が入った。三枝さんに頷き返せば、彼女は満足そうに笑ってレジへと消えていった。


「三郎…、大丈夫…?」

「ん…ごめんなさい、A姉。…お仕事」

「いいの、三郎が優先」


泣いて赤くなった目元を撫で微笑むと、三郎も少しは力が抜けたようだった。それでも、私の服は離さず、しっかりと握っていた。



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りんご - 滅茶苦茶面白いです...!今更ながら、更新待っています! (3月30日 11時) (レス) @page19 id: 76f76e1010 (このIDを非表示/違反報告)
ぱい - 面白すぎ!話にスルッと入れる神作品!更新待ってます! (2022年6月23日 20時) (レス) @page19 id: 0c35d3b667 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔(プロフ) - 悠希さん» ありがとうございます!い一気読みお疲れ様です…!いやぁ、お兄ちゃんしてる一郎くんを公式で見てると、つい甘やかしたい欲が働いて可愛くなっちゃうんですよね…()これからも頑張ります!! (2021年8月14日 9時) (レス) id: 9e4a60ca3b (このIDを非表示/違反報告)
悠希(プロフ) - 今日この作品見つけて一気読みしましたw一郎くんめちゃ可愛いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月13日 22時) (レス) id: 84d16d7788 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 朔 - Reiさん» ありがとうございます!Rei様には何度もコメントをいただき、私もう超感激です…!これからも頑張ります、ありがとうございます!(非ログ垢から失礼いたします) (2021年8月12日 20時) (レス) id: 40534f6bdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月宮 朔 | 作成日時:2021年8月12日 17時

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