【ヒプノシスマイク】彼の対処法8

釣り【神宮寺寂雷】 ページ38

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シンジュクにあるわが別荘に珍しく寂雷先生が訪れました。

扉を開けてみると、いつもの白衣姿ではなくアウトドアな格好の先生で･･･

『釣り、ですか？』

「ええ」

朝から眩しい笑顔の先生の顔をそぉーと見つめます。

『なぜ、私を？』

彼には釣り仲間の一二三さんや同じチームの独歩さんがいるというのに･･･、という疑問がありました。

私は釣りなんてやったことがないし、隣にいたとしても沈黙が続く恐れがあります。本当になぜ私を？という疑問しかありません。

「私は君と釣りがしたいんです」

先生は真っ直ぐな瞳で言いました。その瞳にのったハイライトが朝日のせいか大きく、錯覚ながらすこし気分が落ち込んでいるように見えました。

『まあ、かまいませんが』

本当は断ろうとしましたが、その瞳に負けてしまい、『中でお待ちください』と先生を家に入れました。私は着替えをしようと部屋に戻ります。

「･････(もう少し、遅くに来れば良かったですかね･･･)」

夢主ちゃんのパジャマ姿を朝から見てしまった先生は、僅かに頬を染めたのです。


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動きやすい格好になった私は先生と近くの川へやってきました。

先生の手にはクーラーボックスと釣り道具があり、一式貸してくれました。

『人がいない････』

「ああ、穴場を見つけてね。こういうところなら集中できるし、君も気楽にできるだろう？」

『そうですね･･･』

彼の優しさに微妙な笑顔を作ってしまいました。

それが先生にも移ったのか、彼は苦笑しながら釣りの準備を始めました。そうは言うものの、残りはイスに座るだけですが。

私も彼の隣にあるイスに座り、釣りざおの針に練り込んであるエサをつけ、川に流しました。

「釣りは初めてと聞きましたけど、慣れた手付きに見えますね」

『動画で見たことはありますので』

そもそも初心者でもこれくらいはできます。先生は私のことを赤ん坊だと思っているのでしょうか。

「(う〜ん、一からナミちゃんに教えたかったんですが)」



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