【ヒプノシスマイク】彼の対処法8

ハッピー･･･バースデー･･･ ページ2

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だか、ある日･･･

大雨なか、ずぶ濡れになって煩悩を消してくれ、とアイツがすがってきた。

『･･････もう、死にたい･･･』

あの時の顔は忘れない。

「いつにも増して･･･ヒデー顔だな･･･」

濁った瞳に悲しみを通り越して感情を忘れた表情。ただ溢れ出てくる涙。

『ししょ･･･はやく･･･この頭をどうに･･･か、して、ください･･･っ』

仕方なくだ。仕方なくアイツの煩悩がなくなるよう特別なことをしてやった。

「ついてこい」

雨だろうと関係ない。家の向こうにある山へアイツを引っ張った。

泥んこの道でアイツは何度転んだか。

それでもアイツは拙僧から離れなかった。

頂上へ着いたころには雨は止んでいて、空には虹が････っていう少年漫画のシーンを予想していたが、

着いたころは空は茜色に染まっていた。詳しくいえば、ピンク色の空だった。

「ほら、この絶景を目に焼き付けやがれ！どうだ？嫌なことなんかぶっ飛んだだろ？」

しかし、今のアイツにこの景色はなんの感動もわからなかったのかもしれない。

『･････そう、だね････』

またアイツは泣いた。

あとからして、あれはちゃんと感動してたってことだった。悲しかったんじゃない、拙僧の初めての優しさに嬉し泣きしていたらしい。

「馬鹿な女だ･･･///」

それから、なぜか拙僧はアイツを嫌いだからいじめるのはやめた。

好きだから意地悪したくなるんだ。他のやつにとられたくないから･･･





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