【ヒプノシスマイク】彼の対処法8

釣り ページ46

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寂雷「ナミちゃん！」

獄「ばっか！お前も川に落ちるつもりか！？」

外では夢主ちゃんを助けに川へ飛び込もうとする先生と、それを必死に止める獄さんがいました。

夢主ちゃんはというと川に潜って、あの高そうな釣りざおを捕まえようとしています。

流れは急ではないし、深くもないし、流れるプールを泳いでいるのと変わりません。

『ぷはっ』

獄「ナミっ！こっちあがってこい！！」

獄さんが手を伸ばしてくれたおかげで、川から岸へあがることができました。

寂雷「タオルを持ってくるから！」

先生は慌てて車に戻ります。獄さんは夢主ちゃんにスーツの上着を掛けました。

獄「バカ！風邪ひいたらどうするんだよ！？」

『バカは風邪なんてひきません』

冷静に言い返す夢主ちゃんに「あー」となる獄さんではありますが、そこも彼女の可愛い部分なんだと思わず失笑してしまったのです。

それより、高い釣りざおが無事でよかったと夢主ちゃんは安心していました。

獄「なんで、それの心配なんか･･･」

はあ、と呆れる獄さん。しかし夢主ちゃんは『釣りざおって高いんですからね！？』とお金の価値を必死に教えようとしていました。

『あと、川に潜っていたら二人の声が聞こえました。･･･二人とも同じくらい私の名前を叫んでくれて、やっぱり似ているんだなぁと思いましたよ』

獄「は、はぁ？」

そこへ大きなタオルを持った先生が登場。

寂雷「これ使って」

まるで羊の大群にぎゅうぎゅうされているようにタオルで体を磨かれました。

『もう、大丈夫ですよ』

寂雷「なにが大丈夫なんですか。すぐに温まらないと風邪ひきますよ」

『バカは風邪なんてひきませんから』

やっぱり考えていることが似ています。

寂雷「仕方ありません。切り上げて帰りましょうか」

先生にお姫様だっこされ、車のほうへ連れてかれてしまいます。

しかし───

獄「おい、待てよ」

獄さんが追いかけてきました。

寂雷「なんだい？」

獄「スーツ･･･返してくれ」

そういえば、獄さんが貸してくれたスーツを握りっぱなしでした。




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