【中王区】 ページ30
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『それで？私の過去を馬鹿にしに来た訳じゃないでしょうね？』
無花果「やはり噛みついてくるか。前までは無能だったが、どうやら時間が経つにつれ、お前の頭が戻ってきたようだな」
うるさい、とキレそうになったが、キレたらキレたで何倍にして返されそうだから押し黙った。
無花果「前までは頭を下げるだけの馬鹿でちょうど良かったが･･･
まあ、いい。弱いところは変わってないからな」
フッと鼻で笑われた。
以前、この弱さのせいで無花果さんに利用された。しかし反逆しなかった。彼女が怖いからだ。いいえ、人間全体怖くて仕方ないわ。
私には頼れる相手がいない。
家族はいない。
この弱さのせいで死ぬこともできず、今もここにいて彼女たちの言うことを聞いている。
別に否定する勇気はある。けれどその後にくる恐怖には勝てない。感受性が高いからより･･･
私は自分が嫌いだ。ちょっとのことでは傷つかない皆が羨ましい。
無花果「フッ、昇進してから情緒不安定だなお前は。私たちの足元にいても何の文句を言わないほどの優しさがあるくせに内心は逆上し、男共を手玉にとっているくせに自分を傷つけ、深く関わろうとしない。
人格が交わっているようで気持ち悪い」
私は人間は自分以外の人間を信用できない。過去の傷を背負い込んでいるせいで深く関わろうとは思わなくなった。
関われば関われば自分の首を絞める。自分を苦しめることになるからだ。自分を守りたかった。
その危機感と前あった良心が混ざっているから、こんな変な性格になったのだと思う。
『で？了見は？』
無花果「ああ、忘れていた。とはいっても男には気をつけろというだけだ」
『ははっ、人間不信はどの野郎にも気をつけているから大丈夫だよ。まあ、男にもいい思い出はない。
心が開かないよう精々気を付けるよ』
言葉の最後には喜怒哀楽が表情に浮かばなかった。ツーと耳鳴りが鳴るように私はまた心を閉ざした。
無花果さんと別れ、中王区から外へ向かうところで
「───お疲れ様です」
たまに目にする人に合った。
････と、駄目だ。目上の方なのに失礼するところだった。
『行政監察局副局長･･･碧棺合歓様ですね』
合歓「様は結構です。あと堅苦しい礼も。同い年なんですから」
ふわっと彼女は微笑む。それを眩しいと感じるのは私だけだろう。
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なみ(プロフ) - ネイトさん» ふぁい！（クソデカボイスにやられて背中まっすぐになった）りょ、了解であります！！ (2021年7月16日 6時) (
レス) id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - 葉山翔太を愛し葉山翔太に愛されない女さん» キャー！読んでくれたんですか！キャー！ありがとうございます！！ってえ？ええっ！？神はない。神は他の人だし、考えてくれた貴女ですもん！！面白いリクエストありがとうございました！！ (2021年7月16日 6時) (レス) id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
葉山翔太を愛し葉山翔太に愛されない女 - あんなに素敵に書いてくれるなんてなみさんは神ですか.... (2021年7月15日 21時) (レス) id: d68a7d500c (このIDを非表示/違反報告)
ネイト(プロフ) - なみさん» ありがとうございます！！滅茶苦茶嬉しいです！貴方様のペースで大丈夫ですので楽しみにお待ちしてます！！応援しています！！！！！(クソデカボイス) (2021年7月15日 21時) (レス) id: 35e0137ada (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - ネイトさん» リクエストモチ歓迎します！けど、遅くなっちゃう可能性大です。おおっ！シンデレラっすか！めっちゃ面白くなりそうですね！頑張らせていただきます！りょ！ (2021年7月15日 18時) (レス) id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真灯
| 作成日時：2021年7月6日 16時
