#78 2人のギュッ ページ28
「本当か!?…よっしゃ!!」
そう言うとキバナは、力が抜けたようで私の方ににガクッと崩れ落ちる。
「え、あ、大丈夫でっ…じゃなくて、大丈夫?」
肩にキバナの体重がかかる。成人男性って重いんだな…正直ちょっと恥ずかしいから早く立ち直って欲しい。
「…すっげぇ嬉しい。」
顔見えないから分かんないけど、きっと少年の様ないい笑顔だろう。
「そっか、私も嬉しいよ。」
そう言うやいなや、キバナはすくっと立ち、ギュッとして来た。
いや、マリィも見てるんだが…
「ありがとな。本当にありがとう。」
「いえいえ。なんてことないよ。」
…
あのぉー、まだですかね?長くないですか?
「もう!!キバナさんだけずるいけん!離れて。」
天使か?可愛いかよ。
「やだ。」
え、どうしたよ。可愛いな。
「んもう!!」
頬を膨らませたマリィがとった行動は、
「モルペコ!!A姉に当たらないようにキバナさんにだけスパーク!」
物理攻撃でした。
「モルモル(おしおき、なの)」
「う゛お゛ぉ゛」
Wow…バチバチ言ってる。これは…麻痺ってるね。ご愁傷さまです。
「A姉!!」
「マリィ」
マリィも私にギュッとしてきて、こう言った。
「A姉、ごめんなさい。マリィ、A姉の事トーナメント狩りと思っちゃって、それで──」
そこまで言ったマリィの口を、私は塞いだ。
「謝らなくていいの。それにしてもまた会えて嬉しいな。」
そう言って、マリィの頭を撫でる。
「うぅぅぅ、A姉、マリィもA姉に会えて嬉しかぁ!」
方言頂きましたぁー!!うーん、でも泣いちゃったなぁ…
「泣かなくてもいいじゃない。」
「だって、だって…」
更に顔を埋めてくる。だから私は背中をポンポンと規則正しくたたく。
ばり可愛いか!(博多弁移った)
キバナ、まだ痺れてて土とキスしてる(土に突っ伏してる)よ
ちょっと泣き止んできたかな?
「アニキも会いたがってると思うよ。」
「そうなの?ネズさんも?」
「うん。直接は言わないけどソワソワしてたし、多分推薦する気満々だよ。」
「…嬉しいなぁ、」
キバナだけじゃなくてネズさんまで…
「あ、でもアニキの前でネズ"さん"って言ったらキバナさん見たく怒ると思うよ。」
マジで…
「でもネズなんて呼び捨て、迷惑じゃ…」
「妹のマリィが言ってるんだからいいの!!ね?」
「じゃあネズって呼ばせて頂きます。」
キバナ、まだ痺れてるよ……そんなに?
え、真面目に大丈夫?
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作者名:灰かぶり | 作成日時:2020年7月5日 21時