無題-1【夢野幻太郎】 ページ5
____物語を作り上げる為の鍵は、日常の中に潜んでいる。
いずれも特別なものでなく、日々の生活の中にあるちょっとしたものでも、私には絶景のように輝いて見えるのだ。
今もこうして万年筆を握ってはいるものの、こうしていざ原稿に取り組もうとするとやはり庭が恋しくなる。
自分で言うのも恥ずかしいものだが、我が家の庭はなかなか眺めがよい。街中にひっそりと佇む日本家屋から眺める景色は、まさに私の中の『絶景』そのものだ。
鹿威しが鳴るカコー.....ン.....という音がしみじみと耳の奥に響きわたるとともに、ついつい筆を緩めてしまう。しかしそんな『絶景』の誘惑になんとか耐えつつ、この続きを執筆していこう。
もし途中でおかしな文があれば、それは誘惑に負けかけている時だと感じ取って、ぜひとも紙面の中の私を応援してほしい。
下らない嘘はここまでにして、今日は私の身に起きたまさしく『絶景』という日常の瞬間の話をさせていただこうと考えている。
このようなエッセイまで手にとって読んでくれているということは、紙の向こうのあなたが私の作品を愛読しているか、あるいはそれなりに読んだことはある、といった人々だと信じよう。
それでは、あまり長くなる訳にもいかないだろうし、このプロローグを第一章として。
第二章。夢野幻太郎、二十四歳のときめきの話をいくつか。
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作者名:ファイアー@橙蛙不二周助の人 | 作成日時:2018年11月15日 19時