title【麻天狼】 ページ1
「君たちも、男ならラップできるだろう?」
正直、不安がない訳ではなかった。これから男として生きていく自信も、何もかも。
自分の心を偽っていたかもしれない。チームを組んだことで、俺は、本当の俺を見つけることができたのかもしれない。
いつだって最高の笑顔で、俺は言葉を連ねる。
.
友達、仲間。あいつ以外に、そんなものができるとは思ってさえいなかった。
これからは二人ぼっちじゃなく、三人で生きていくのだろうか。社会はこんなに冷たいのに、
二人といるときだけは、心の奥が暖かい。
.
マイクを握って新しい世界を造ろう、なんて言うつもりはない。今のここに希望なんてない。
そんなことは分かりきっている。それでも、抗って生きてやるために、私と君たちで。
今日もこの世界に立ち向かう。
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麻。あさ、という植物を表す字で、強くしなやかという意味もあると言われているが、
その一方
天。そら、万物を支配するもの。
そして、神の住む空の上の世界。
狼。おおかみ。狼は凶暴な生き物である。そのため、
そのような乱れ舞う荒い気性を表す言葉としても使われる。
摩天楼。天よりも高くそびえ立つ建物のこと。あの空よりも高く、向かっていくそのために、
考えたチーム名がある。二人が喜んでくれるかはどうかは分からないけれど、
そう、まさに私たちは____。
【END】
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作者名:ファイアー@橙蛙不二周助の人 | 作成日時:2018年11月15日 19時