ホグワーツ生の君【ﾊﾘﾎﾟﾀ短編集】 (ページ5)

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恋煩いではないけれど＿Ron Weasley ページ5

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ハリーがごくりと唾を呑んだ。
そして口を開こうとしたその時、影でこっそりと聞いていたのかどこからともなくロンが現れた。

「なんだよ! 僕がいない所で僕の話かい!? 言っとくけど、君たちなんかに好きな人なんて教えないからな」

怒った口調でロンは言う。
ハリーはロンをなだめようとしているが、ロンは聞く耳を持たない。

「ロン、落ち着いてよ。私たちが悪かったよ、ごめんね」

そう言うと、ようやくロンは怒りがおさまったのか「こっちこそごめん」と謝ってきた。

「……なんで僕の好きな人の話なんてしてたんだ?」

「それは……」

ハリーは一瞬私の方を見て、

「Aが知りたがってたんだ」

と言った。

その言葉に、思わず私は否定したがもう遅かったのか、ロンは

「A、君って……」

と顔を真っ赤にして言ってきた。

「ち、ちがうのよ! ロン、あなた誤解してるわ」

私が必死にそう言っても、ロンにはもう聞こえてないみたいで、私も好きな人が好きな人にバレたショックと恥ずかしさでもう何が何だか分からなくなっていた。

「実は………ラベンダーと居る時もずっとAのこと考えてた」

その言葉に私の体は熱くなる。

「何言ってんのよ。それ浮気みたいなものよ」

そんなこと言いながらほんとは嬉しい。

「僕はお邪魔みたいだね」

ハリーは二人の両想いを最初から知っていたみたいに言ってその場から去っていった。

去っていく途中で何回も振り返ってくるもんだから、今度はロンがしっしっと追い払う真似をして呆れたように笑った。

「やっぱりあなた達って仲良しなのね」

「そうかもね。大親友さ」

ロンは歯を見せて笑った。

その笑顔は有り得ないほど可愛くて、かっこよくて、あぁ、好きだなとまた思った。

この想いを諦める必要は、どうやら無さそうだ。