ホグワーツ生の君【ﾊﾘﾎﾟﾀ短編集】 (ページ1)

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肝心なコト＿Draco Malfoy ページ1

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「ドラコまた告られたの？いい所なんか一つもないのにね」

朝食のある時間、僕と向かい合わせに座る彼女は同じスリザリンのAだ。

彼女は冗談交じりに笑っている。
……相変わらず胸が痛い。

「余計なお世話だ」

そう言って、僕は朝食に手をつけた。

「でも結局、誰とも付き合わないんでしょう？なんか不思議」

彼女はそう言うなり、僕の目を見て「好きな人でもいるの？」と、意地悪な瞳で聞いてきた。

「Aには関係ない」

そう冷たく返しても内心はドキドキしてばっかで、体があつい。
なんか恥ずかしくなって、コップに入った水を口に含んだ。

「否定しないって事はいるんだ」

少し笑って問いかける彼女に僕は焦って、含んだ水をかけてしまうとこだった。

「Aはいちいちうるさい。……そういうお前はどうなんだよ」

水をごくんと飲み終えて、
何気なく返して、必死に彼女の答えを待つ。
いつにもまして早い心臓の鼓動が、僕の胸を締め付けた。

「好きな人ねぇ……まあ、いないとは言えないね」

彼女はそう言ってパンを頬張る。
「誰？」と聞けない自分が恥ずかしくて情けない。

「ふーん……」

相槌をしてあとは気のない素振り。
……そんな事してるからいつまで経っても好きの一言が言えないんだな。
考えることは出来るのに行動に移せない僕は相変わらず弱虫。

その時、ポッターが僕の視界に入ってきた。

「ドラコハリー君からかうの好きだよね」

彼女もポッターに気付いたのか、呆れたように僕に向かって言った。

「別に好きでやってるわけないだろう。それとA、話逸らすな」

「逸らしてなんかないって〜。だって私の好きな人は……」

彼女はそこまで言うと急に黙って俯いた。

「ポッター、なのか」

「絶対誰にも言わないでね？」

「あぁ」としか頷けない自分に腹が立つ。何であいつなんだとか、あいつなんかのどこがいいんだ、とか、言いたいことはいっぱいあったけど、Aに嫌われたくない自分がいてそんなことは言えなかった。

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