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病室に戻る。
この扉を開ければ、きっとAは一人でそこに居るのに。
薄っぺらい扉が、
・・・開けられない。
.
新しい事が覚えられない。
だったらきっと。
.
さっきの自己紹介だって、
彼女の中ではなかったことになってるわけで。
.
震える手で。
そっと、病室の扉を開ける。
.
きっと意味も分らないだろう分厚い本から目を上げた彼女が。
そっと、こっちを向いて。
.
きょとん、とした、顔で。
でも、いつもの変わらない純粋な目で。
俺を捉えて、また、瞬きをする。
.
A「・・・初めまして、」
.
君が、そう言う。
昨日まで・・・いや、数時間前まで。
俺の名前を、呼んでいた君が。
.
A「雪白Aです。」
.
初めて見る人には、自己紹介をしなさいと。
きっと、担当医の彼から言われているであろう彼女が。
素直にそれを実践しているだけなのに。
.
A「どうか、されましたか？」
.
他人行儀に。
目を揺らして。
.
俺の言葉を、待ってる。
顔も名前も知らない男の言葉を。
.
・・・何も知らない彼女は、
.
＿＿＿ 待っている。
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愛理☆(プロフ) - とても切なくて、この物語に引き込まれました。儚く、それでも暖かく、感動しました。お疲れ様でした(ﾟ´ω｀ﾟ) (2013年12月5日 20時) (
レス) id: 49250f4133 (このIDを非表示/違反報告)
櫻葉 楓(プロフ) - 感動しました！ お疲れ様でした。 (2013年12月1日 3時) (レス) id: fae83d1775 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 最高でした! (2013年12月1日 1時) (レス) id: 05926b04ec (このIDを非表示/違反報告)
*mimu(プロフ) - 今晩は。もう、言葉では表せないです!(重い)とても切ないけれど、どこか心が暖かくなるような...そんなお話でした(*'ｪ`*)ぜひ、書籍化して欲しいです!!←素敵なお話でした♪ (2013年11月30日 19時) (レス) id: 418ffc5999 (このIDを非表示/違反報告)
壱 - 完結楽しみにしてます。頑張ってください！ (2013年11月30日 17時) (レス) id: 13582b8447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢乃
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/houseki/
作成日時：2013年10月7日 23時
