【第5話】入園しました ページ6
「Aー、幼稚園に着いたわよー」
「よーちえん?」
母と父にたっぷり愛情を注がれ、私はすくすくと可憐なトト子ちゃんそのものに育った。これから成長するにつれ、私はお魚アイドルになるのか……否、それは辞めておこう。私はアイドルなんて向いていないし増してやお魚モチーフなのは余計無理だ。
そしてそんな風に育った私は今、父と母に「赤塚幼稚園」に連れてこられた。つまりはここに入園するということだ。
比較的新しめの校舎を彩るように、桜の花びらが何枚、否何百枚も風に揺られている。そして見上げれば雲一つない青空。まさに入園式にぴったりな日ではないか、と内心思った。
しかしまさか人生2回目の幼稚園とは……幼稚園って何するっけ?あー、遠い日の思い出過ぎて全く脳内に記憶が残ってない。
「Aー、こっち向いてくれー!」
「はーい!」
園の前で我が子の写真を撮ろうと、この時代では高級なカメラを構える。折角なのだから思い切り笑顔を振舞おうか、と考えたその時だった。
「あら、弱井さん?」
どこか聞いた事のある声が聞こえてきた。
『ニート達、ご飯よー!』
そんな風にあの六つ子を呼ぶ声が。
「あら、松野さん!息子さん達もこの幼稚園に入園するのね」
「ええ!Aちゃんも?」
まだ若々しい黒髪に丸い眼鏡。特徴のあるのんびりとしつつも威厳のある声。背はすらりとしている女性……そしてその女性の隣には、丸い鼻にクルクルとカールした髭が特徴的な、恰幅の良い男性が立っている。
……まさか、という予感が私の頭を過ぎった。
「かーさん!ここどこー?」
「よーちえんって何?」
「おなかすいたー!」
「おうちかえりたいよぉー!」
「あー!すなばだー!」
「あ、はなれたらだめだよ!」
____それはそれはそっくりな6人の男の子達が、わらわらと好き勝手に其処彼処で動いていた。
神様、これって何の試練ですか……?
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夏 - 続きが気になります (2020年8月8日 15時) (レス) id: 354ebf07c4 (このIDを非表示/違反報告)
四季春 - 早く続きが、気になります♪ (2020年1月28日 20時) (レス) id: 354ebf07c4 (このIDを非表示/違反報告)
潮音(元:sky☆)(プロフ) - 妹系長女さん» コメントありがとうございます!ネタが思いついたので執筆させて頂きました(´˘`*) これからもよろしくお願いします! (2019年7月14日 12時) (レス) id: 53738544cc (このIDを非表示/違反報告)
妹系長女 - とても面白いです!はやくネタが思い付くといいなぁ、更新楽しみにしてます! (2019年7月13日 14時) (レス) id: 2d0849d162 (このIDを非表示/違反報告)
潮音(元:sky☆)(プロフ) - ひーちゃんさん» コメントありがとうございます!にやにや顔の下りに思わず笑ってしまいました笑 (2019年6月29日 13時) (レス) id: 53738544cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:潮音(元:sky☆) | 作成日時:2019年5月23日 12時