ミーちゃん様リク! ページ10
[もしもし?]
「あ、A?3日後空いて[ない]」
ぶつっ、と無情に途切れる電話。
一瞬固まるが、そこは流石の暗殺一家長男。すぐに掛け直した。
[…何の用だい?]
「やだなー、仕事だよ仕事」
とある国の一角。
通称、“アメティヴィルの呪われた家”
有名な心霊スポットであり、そこで未だしぶとく存在する貴族の末裔が、黒魔術と称した殺戮を行っているとか。
金持ち(バカ)のやる事なので、一般人には手が出せず。
仕方なく、その筋で有名なゾルディックに依頼したという。
「受け[ない]」
ぶつっ、と2度目のぶっち切り。
電源も落としたらしく、掛け直しても繋がらない。
仕方なく、別の携帯の番号にかける。
[しつこい。あたしは嫌だ]
「報酬はしっかり払うよ?」
[嫌だ。絶対。]
しつこくしぶとく執拗に交渉し続けるイルミがうざかったのか、珍しくAが声を少し荒げる。
[どうして無関係のあたしが巻き込まれなきゃいけないんだい?勝手にやってろ]
そろそろキレる予感がしてきた。
「ほら、仮に見つかった時、肝試しに来たカップルって事で」
[殺せば良いだろ]
「残念だけど、今回殺っちゃいけないんだよね」
ちっ、と隠すつもりもない舌打ちが聞こえる。
[………どうしても引き下がらないみたいだねぇ?しつこイルミ]
「何その秀逸なあだ名」
妙に流暢に貶しつつ、苛立ちを抑えて問う。
[交換条件]
「…何?」
発せられた条件は、イルミにとって最も恐ろしい条件だった。
重く黙り込み、イルミは。
「……分かった。良いよ」
それを承諾した。
大丈夫だ、ほんの一ヶ月、どうと言う事はない。
苦渋の決断を、下したのだ。
「お待たせ」
「大丈夫、オレも今来た」
お前らはカップルか。
そう突っ込みたくなる会話をこなしながら、人気のない方へと歩みを進める。
「依頼の確認ね。
本当に殺戮が行われているか。
行われていた場合、貴族の捕獲。
殺しはない。器物損害もダメ」
「面倒臭いねぇ…全員消せば良いじゃないか」
「ちょっと、何でオレに当たるの」
指を立てながら説明していたイルミの手を、曲げてはいけない方向に曲げる。
常人なら粉砕コースだが、イルミなので折れはしなかった。
「…ここ。悪趣味だよね……A?」
目的地の呪われた家を視認した所で、Aが歩を止める。
「どうかした?」
「…何でもないよ早く行こう」
急に早口になったAを不審に思いながら、その家に侵入した。
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ハル(プロフ) - °.*カタミ☆*.°ミさん» おぅわっ!?そうだった!!了解しましたー! (2015年3月3日 17時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
°.*カタミ☆*.°ミ - ハルさん» いきなりでゴメン!!今日はレオリオの誕生日だから番外編つくってほしいな〜…なんて…。間に合わなかったら、全然いいんだけど…。本当に当日でゴメン!! (2015年3月3日 7時) (レス) id: 4a9c2a9d92 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん(プロフ) - ハルさん» あとりあえずあありがとうございます!! (2015年2月26日 6時) (レス) id: 4f2bf80238 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - のんのんさん» いいえ違います、ただの(重度の)オタクです←い、一年もかからないように……します……(震え声 (2015年2月25日 22時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん(プロフ) - ハルさん» あとで無茶言ったなとかめっさ考えてたのに、あなたが神か!!ご、後光が……←もう1年でも待ちます!!……私、待ってるわ………ずっと、ずぅっとね………(ヤンデレ風に (2015年2月25日 22時) (レス) id: 4f2bf80238 (このIDを非表示/違反報告)
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