【HUNTER×HUNTER】ピエロの師匠は突拍子もない事がお好きなようで【番外編だけ(part2)】

(1日遅れの)はっぴーはろうぃん!! ページ9

「Trick or treat♡」

唐突に、愛する師からそんな事を言われた。





「…まず質問良い?」

「良いよ」

至って平然としているAだが、格好は明らかに普通じゃ無い。

「その衣装は何?」

セクシーなミニスカにフリルのついたトップス、それに加えて三角帽子。

ついでと言わんばかりに背中にはマント、小道具なのか手には箒。

因みに、色は黒で統一されている。似合っているが。

「何って、魔女の仮装だよ。見て分からないかい?」

その場で(普通に)一回転するA。

その拍子にスカートがふわりと揺れ、もう少しで見えそうな危うい感じなのだが。

「…何でそんな格好してるの?」

「10月31日と言えば?」

直接答えず、質問で返してくる。

その問いに、暫し考えること数秒。

「……ハロウィン」

「正解。という訳で、Trick or treat」

すい、と右手を差し出す。

Trick or treat

お菓子か悪戯か

ジャポンなどではイベントが盛んで、仮装した子供が家々を回ってお菓子を貰う事もある。

どうせ、何時もの気まぐれで行ったのだろうが…

如何せん衣装が可愛すぎる。

この人は無防備にも程がある…いや、普通に返り討ちか。

何だかよくわからない論争を脳内で繰り広げていると、がしっと顔を掴まれる。

「え?ちょ、師匠…?」

わざわざテーブルの上に立って、自分と高さを合わせているのに嫌な予感しかしない。


「…お菓子くれなきゃ、イタズラするよ?」


耳元で囁かれた、その言葉。

普段より途轍もなく妖艶で、甘い声で。

「……っ!!」

抵抗、という選択肢が消え去った。

首元にかかる吐息が熱い。

ちゅ、と軽く、本当に軽く首筋に唇が落とされる。


「…なんちゃって」


「………は?」

ぱっと離される体。

目の前には、悪戯が成功して嬉しそうに笑顔を浮かべるAの顔。

「冗談だよ、ただの遊び」

やっぱり、と再認識しても、落胆の気持ちは抑えられない。

なら、ちょっと仕返ししようか。

極々自然に、その考えに行き当たる。

「じゃあ、ボクからもTrick or treat、で♥︎」

一瞬きょとんとしたが、すぐにポケットに手を入れる。

「想定内」

手の上に乗せられた、可愛くラッピングされたクッキー入りの袋。

…取り敢えずは、このクッキーを美味しく頂こうか。




因みに。

ヒソカに軽くキスした後のAの顔が、僅かに赤くなっていた事に、ヒソカは気付いていない。





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作者は母上の趣味で死神の仮装しました←

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