１話 ページ3
監視役。キルアの。理解はできるがあまり喜ばしくない類のワードに、背中に冷や汗がにじむ。
「えーっと……とりあえず、詳しくお聞きしても？」
『詳しく言うまでもなくそのままの意味なんだけど、まあいいよ。説明してあげる』
曰く、普段であればキルアに何かあったらすぐに対処できるけれど、今はそうもいかないので、ある程度信用のおけるところから情報を得ておきたいとのこと。
まあ、納得はできなくもない。キルアの頭の中には現在進行形で洗脳の針がさくっとされているわけだし、それでなくとも家というくびきから放たれたばかりだ。
可愛い弟の動向を知っておきたいというのは、イルミさんの心情を思えば当然と言ってもいいだろう。歪んでるけど。その愛情クッソ歪んでるけど。
しかし疑問は残る。例えば、
「それなら執事さんにでも頼めばいいんじゃないですか？私より余程信憑性があるでしょうに」
『ああ、執事にも頼んではいるけどさ、いまいちなんだよね』
「いまいち……とは」
『ほら、キルって歳の近い執事に「友達になろうよ」とか言うだろ？そういう甘えたに絆されてキルの味方する執事も少なくはないってこと』
「あー、なるほど」
確かに、いくら敷地内の養成所で英才教育を受けたとはいえ、あんなきゅるんきゅるんに愛らしい美少年にお願いされたら誰でも絆されるのは間違いない。私だってオチる。
家庭内でも色々派閥があるんだな。やだ、昼ドラより泥沼。
『あとは執事だからこそ、かな。オレより上の人間から監視をやめろって命令されたらそこで終わりな訳だし。やめろ、ならまだしも偽の情報を流せ、とかやられたら嫌だから』
「大変ですねぇ、ゾルディック家」
アルカ編でその一端を垣間見たのと違わず、このご家庭は随分と不穏なものをしこたま抱えている。願わくば巻き込んでほしくはないのだがそれは今更ってものだ。
『その点キミは楽でいいよ。うちの事情をある程度分かってるし、基本、自分より強い相手に逆らわないし。そうだろ？』
「……仰る通りで」
そして厄介なことに、イルミさんは私の性格をよく心得ている。全くもってその通り。私は事なかれ主義だから強者に逆らいたくはない。
単純に強いってだけならやりようがあるのだが、相手はなんせ天下のゾルディック。下手に牙を剥いては引っこ抜かれて終いだ。
「そちらの要求は把握しましたよ。ですが私にも用事ってものが……」
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てん(プロフ) - 小学生の頃に出会ったこのハルさんの作品が，成人した今でもずっとずっと大好きです。時々ふと思い出しては読みに来て元気をもらっています。作品を残してくださっていること，そして今でもハルさんの作品を読めることが本当にうれしいです！ありがとうございます！！ (11月8日 0時) (
レス) id: 0c5a4c2fdf (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - お願いします頑張って下さい もう、文庫化していいのでは? (6月21日 17時) (レス) @page14 id: eef1b4a1e3 (このIDを非表示/違反報告)
みーぱ(プロフ) - 何年も何年も待ってます....... (2022年12月9日 5時) (レス) id: 48f7dcb244 (このIDを非表示/違反報告)
よるくん(プロフ) - 読ませていただきました！フェイタンがカッコ可愛すぎてマジでやばかったです！でも続きが読みたいです！よろしくおねがいします！ (2022年11月1日 11時) (レス) @page14 id: d8ef2564dd (このIDを非表示/違反報告)
あおぞら(｀・ω・´)(プロフ) - 1週間かけてじっくり一から読ませていただきました！ものすごく設定が凝っていて、原作を髣髴とさせる作品でした。1話1話とてもワクワクした気持ちで読めて楽しかったです。ここで終わりなのが惜しいですが夢のような時間をありがとうございました！！ (2022年9月25日 22時) (レス) @page14 id: 11b3922fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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