４７話（9/15） ページ49
除念騒動も無事に集結し、それから更に日が流れた。
時期は二月上旬。ハンター世界で日本のような明確な冬を観測したことはないが、何となく気温は月ごとに推移している。
多少の肌寒さを感じる今頃、パドキア共和国ではゴンくん達が修行に勤しんでいる時分か。不安定な気温の中よく頑張れるものである。
ゾルディック家敷地内は植物だらけで一層寒そうだし、加えて高山でもあるので気温はかなり低いに違いない。原作では見た感じ薄着だったけれど、そこんところどうなのだろう。
今度イルミさんあたりにでも聞いてみようかな。そんなことを考えながらテレビを適当にザッピングしていると携帯が鳴った。液晶には、噂をすれば何とやら。イルミさんの名前が表示されている。
あの人から連絡が来ることなんて滅多にないから驚いた。また何か嫌がらせでもあるのだろうか。若干の覚悟をもって電話に出る。
「はい、もしもし」
『あ、よかった。繋がった。数ヶ月くらい暇？ちょっと頼みたい仕事があるんだけど』
「仕事……ですか？」
仕事も気になるが「よかった」という一言も引っかかる。とはいえ聞いてみないことには何もわからないので、黙して続きを待つ。
『そう。オレさ、仕事の関係でライセンス取ったでしょ？で、今“そういう”セキュリティの国にいるんだけど、内部抗争に巻き込まれちゃってしばらく帰れそうにないんだよね』
「はっ！？大丈夫なんですか！？」
あっけらかんとした語り口だがことは重大である。思わず声を荒げると、これまたからっと『当たり前だろ』と言われ、一瞬私の認識の方がおかしいのかと不安になった。
イルミさんの肝が座りすぎているだけで、ライセンスがないと入れないような国で抗争に巻き込まれてこんなに平然としていられる方がおかしいのだ。……おかしいよね？
「げ、現状は分かりましたよ。それで、仕事というのは？まさか暗殺とか……」
『はは、キミみたいな素人に任せる訳ないじゃん。馬鹿なの？』
「ぐうっ……」
この人、実に軽々しく人の心を傷つけてきよる。言ってることは正しいのだが、あまりにつらっと言うものだから自尊心がこう、削れていくというか。
『まあ、オレが納得できない仕事ぶりだったらキミが死ぬけど』
「死ぬんですか！？私が！？」
まさかの殺害宣告にめっちゃデカい声が出たが、イルミさんはお構いなしに二の句を継いだ。
『うん。実は、キルの監視役を頼みたくてね』
「…………はい？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1094人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル(プロフ) - 向日葵さん» ご無事で何よりです…！それはありがとうございます(笑)幸い軽微な被害で済みましたので、すっかり元気に続いています！余震はまだ少し怖いですけれど、元気にやって参りましょう！ (2018年9月15日 13時) (
レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エルさん» 同郷の方！ご無事で何よりです！本当に、復旧にあたって下さった方々には頭が上がりませんね…H×Hが完結するまでは何としてでも生きてやりますよ！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ネフェルティティさん» そちらでも台風などで非常に大きな被害が出たとお聞きしております。地震に台風にと最近災害が一際目立っておりますが、どうかお元気で、ご無事でいらっしゃることを心より願っております。温かいお言葉をありがとうございます！頑張りましょう！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - シユウさん» ありがとうございます！何年もお付き合い頂き感無量でございます…！お願い死なないでシユウさん！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ありがとうございます！まだまだ頑張って行く予定です！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
