４４話（9/11） ページ46
「お前の世界で平和ボケしたのは認めるよ。だが、そのくらいで愛とやらを知れるほどワタシ柔軟じゃないね」
「じゃあ、私に愛してるって言ってくれたのは……」
「嘘じゃない。一言で表すなら、きと愛だと思ただけね」
何だか思っていたより根の深い問題だったようで、またしても軽率なことをしてしまったかと後悔しても先には立たず、少し酔っているのだろうか、いつもより饒舌なフェイの声に耳を傾ける。
「お前は一度ワタシのものになた。団長は飽きたら捨てるけど、ワタシは一度手に入れたものは手放したくない主義ね。お前もそれ」
「……つまり？」
「要するに、愛も恋も今更必要がない。欲しいものは奪って、手に入れる。ワタシはお前を手に入れた。下らない小説にあるのがレンアイの全てなら、ワタシのこれは愛じゃない」
執着ね。と、新しい缶ビールのプルトップを片手で開けながら、事もなげにフェイは言った。細いけれど骨ばった喉にアルコールが流れていく。
「お前が欲しい。手元に置いておきたい。それを愛て都合よく呼んで何が悪い？他の宝よりお前の方が欲しい、それだけね」
耐えきれず、フェイの手からビールを掻っ攫って、体に悪いとは分かっていても一気飲みした。そうでもしなければ、全身のほてりをどうしたらいいのか分からなかった。
確かに愛ではない。女の子が思い描く純粋で、キラキラしていて、まっすぐで濁りのない、夢みたいな愛とは全く異なるフェイのそれ。
それが、私の胸を何よりもときめかせるのだ。
「……ありがとう。愛してるよ、フェイタン」
「いきなり何か。気持ち悪いよ」
「辛辣なところも好き。大好き。愛してる。私を選んでくれてありがとう。死んでも好きです」
旅団で修行していた頃から一人で抱え込むことがままあったから、今回もそれだろうとフェイも察しをつけたらしい。
それ以上は何も言わず私を抱き寄せ、体重を預けるのを許してくれた。お酒を飲んでいるからかいつもより温かい。生きている人の温もりだ。
「……こうやって大事にしてくれるのはどうして？」
「ガラス細工を殴る馬鹿はいないね」
「そんなに脆そう？」
「ハ、雑魚が。もと鍛えろ」
「じゃあ、合金目指して頑張る」
とん、とん、と一定のリズムで肩を軽く叩かれる。柔な赤子をあやすように。
今はガラス細工でも、いつかは剣になろう。宝としても武器としても、この人の側にいられるように。
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ハル(プロフ) - 向日葵さん» ご無事で何よりです…！それはありがとうございます(笑)幸い軽微な被害で済みましたので、すっかり元気に続いています！余震はまだ少し怖いですけれど、元気にやって参りましょう！ (2018年9月15日 13時) (
レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エルさん» 同郷の方！ご無事で何よりです！本当に、復旧にあたって下さった方々には頭が上がりませんね…H×Hが完結するまでは何としてでも生きてやりますよ！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ネフェルティティさん» そちらでも台風などで非常に大きな被害が出たとお聞きしております。地震に台風にと最近災害が一際目立っておりますが、どうかお元気で、ご無事でいらっしゃることを心より願っております。温かいお言葉をありがとうございます！頑張りましょう！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - シユウさん» ありがとうございます！何年もお付き合い頂き感無量でございます…！お願い死なないでシユウさん！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ありがとうございます！まだまだ頑張って行く予定です！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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