「恐ろしいよこの人。本能的な恐怖を感じてきた。フェイのも怖かったけどヒソカさんマジでヤバイ」 ページ10
「……嘘だ……」
さくさく進むトランプゲームは、僅か五分で早くも四ゲーム目に突入した。戦績は私の全戦全敗。ドキテクを使っている様子も、マーキングの形跡もない。一体何故勝てないんだ！
「ヒソカさんまさか透視系の念能力とか……」
「そんな下らない能力作らないよ♠」
「ですよね」
また二枚のカードが場に出され、ヒソカさんがキングを出して私の七に大勝を収める。私がカードを切って配ってもそれは変わらず、ヒソカさんの笑顔が崩れることはない。
「ううっ……絶対に何かおかしい……」
「そろそろ諦めたら？ 不毛だよ、この勝負♦」
「ふっ不毛とか言わないでくれませんか！？」
流石にそれは酷いぞヒソカさん、と抗議の意を込めて立ち上がるも、穏やかな微笑みで座りなさいと無言で促されて素直に従うしかなかった。畜生イケメンが憎い。
すん……とつい一秒前の勢いを失くして岩に座り直した私は、若干涙目でヒソカさんにトランプを返上した。その際に持ち札を見てみた所見事に負け確のラインナップだった。
「いやまあ、薄々勘付いてはいましたけどもね……お教えしますよ、私の二つ目の能力」
トランプを返上する為に伸ばした手で、カードを受け取ろうとしていたヒソカさんの手を掴む。そのまま間を置かずに、【プシューケー】を発動！
元々具現化系だった私にとって、変化系のヒソカさんのオーラは隣り合っている為捕食しやすい筈。その予想は見事的中し、ぐん、と身体に自分のものではないオーラが満ちた。
……が。私は少し、油断していたのかも知れない。ヒソカさんの平然とした態度が、こんなものを微塵も思わせないから。
「ッう、わ」
どろりと、体内で何かが淀む。想像の片端にすら浮かばない、痛い程の激情が心臓を焼く。何だこれ、殺意なんて生易しいもんじゃない。悪意？ 敵意？ 憎悪？ 言葉を尽くしても届かない。
一時的に得たヒソカさんの経験。それは確かに、公式に最強と断言されたキャラクターに相応しい、端的に言っておぞましいものだった。
ヒソカさんは、慌てて距離を取った私と自分の手の平を交互に見つめ、手を握ったり開いたりして違和感の正体を確かめようとしている。
どうして、こんな経験を持ちながら、こんな常識人みたいな顔が出来るんだ？
「……今のが、君の念？」
「ええ……触れた相手のオーラと経験を奪います」
「成る程ね♥面白い能力だ♥」
「そいつは、どうも」
イラスト頂きました！→←「ヒソカさん本気でやったら寿司くらい出来ると思うんだけど、まあその辺はご都合主義で」
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています！！ (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました！とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています！頑張ってください！！ (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります！個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです！！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - １日毎だと読みやすくて嬉しいです！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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