7/23 更新�� ページ30
扉を抜けてから、私は心ばかりの反省を示す為、破壊活動はしようとせず素直に道をひた走っていた。
またしても暗闇ということもなく、ぽつりぽつりと灯るろうそくに従って通路を駆ける。緩やかな坂道になっているから、順調に下に降りてはいるらしい。
障害らしい障害もないまましばらく。走りながらちらりと時計を見ると、既に二時間近くが経過している。ヒソカさんは六時間強でゴールしていたから、もう三分の一は終わっているのだろう。自分と比較すると驚異的な速さに恐れ入る。
とはいえ悲観しても仕方があるまいし、何はともあれ進むのみだ。平坦な景色に退屈が生じてきているのもとりあえずは我慢して。
いくつかの分かれ道はこれまでにもあったが、どちらの道に何があるか、と記されているものはこれが初めてだ。
「『共闘の間』と『孤軍の間』……かぁ」
額面通りに受け取れば、誰かと一緒に戦うかぼっちで戦うか選んでね、ということなのだろう。何か細工があるのか、“円”を張っても道の向こうの様子は伺えなかった。
戦いの形式にもよるけれど、基本は一人の方が楽なことに間違いない。旅団にいた時だって、大体一人でこそこそしていることの方が多かった。
時たまフィンやフェイと組むこともあったけれど……内容はお察し、私の出番はほぼ皆無。精々取りこぼしをちまちま削る程度のものだ。
それでは何の為にもならないというわけで、私は単騎でぽつねんと仕事をするのが大半だった。今クソぼっちって言ったやつ出て来い。
そう考えて選ぶなら孤軍だが、共闘にもメリットはある。他の受験生を「どうこう」できるという、非人道的なメリットが。
蹴落とすなり盾にするなり用途は様々。原作に介入しないキャラなら、適当に扱っても問題ないはず。そんな邪な思いから、私は共闘の間を選んだ。
「すいません人違いでした」
「誰と？」
「ヒィッごめんなさい！ 全然違わないです！」
選んで、ものの数秒で後悔した。いやいやまさか、どういう確率でイルミさんと一緒になると思うよ！ きょうびドラマでもないわ！ こんな展開！
針だらけのギタラクルイルミさんを見た私は勿論くるっと進行方向を変えたのだけれど、豪速で飛来した針が私の股下を通って床に突き刺さったので撤退は断念。相変わらずのコントロールです。
「お、お久しぶりです……？」
「キミの久しぶりは随分スパンが短いね」
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています！！ (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました！とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています！頑張ってください！！ (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります！個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです！！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - １日毎だと読みやすくて嬉しいです！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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