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“堅”……とまではいかずとも、銃弾くらいなら止められる程度に防壁を張り、いざ行かんと扉を開ける。何が来るかと構えはしたものの、現状では何も飛んで来ない。
その代わり、と言っちゃあなんだが、一つ、部屋の中心に気配があった。間違いなく人間の、確実にこちらに対して敵意を抱いている気配。
部屋に一歩足を踏み入れると、丁度その人の前に立てられていた蝋燭に火が灯った。見えたのは随分と古風な日本人風の男である。
「……お初にお目にかかる」
「うわ喋った」
瞼を閉ざしたままの男は、教本通りの正座から静かに立ち上がり、すらりと刀を抜きざま口を開いた。刀剣の造詣は深くないが、まあ、いい刀なんじゃなかろうか。
「私の名はヤギュウと申す。極東より、はんたあ試験の助太刀に馳せ参じた。……お主が、足止めせねばならん受験生か？」
中々どうして国粋的な、何かこう、未開拓の村で一人黙々と剣術を磨いていそうな雰囲気をしているな。お話の途中で殴りかかってもよかったが、油断ならないのは、彼も念能力者ということ。
「あー、そうですね。ちなみにお兄さんはハンターなんです？」
「左様。数年前、祖国に試験会場が設けられた。その際にらいせんすを得たのだ」
「……はぁん」
協会本部からは結構離れているけれど、そんなケースもあるのか。その時に受けたかった気がせんでもない。ジャポンはいいところだったし。
間合いを図り隙を伺いつつ、会話からボロが出ないかと若干期待する私を見兼ねてか、お兄さんが、
「本来、私はここに投入される予定ではなかったのだが。お主が余りに出鱈目なことをしでかそうとするものだから、急遽念を使える私が配置された。悪くは思うな」
と、説明を加えてくれた。なるほどね、元々はあの標識通り飛び道具が来る予定だったけど、私相手なら無意味だから予定を変更したと。
「あ、そうだったんですか。わざわざすみませんね、どっちでも別に変わんないのに」
「……何？」
日本人らしく謝辞を述べるついでに、流れるように煽りを。さて、長々くっちゃべっている趣味はないし、さっさとお兄さんをボコして先に進まないと困るんだよね。
得物は刀。リーチは太刀、約一メートル。そしてこの義理堅そうな面構え、突っ込んでくるならまず間違いなく直線的。回避先は幾らでも確保出来ている。だが油断はしない、初撃は絶対にかわす。
一撃目を入れられたら、もうそこで主導権を握られてしまう。それだけは避けなければ。
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています！！ (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました！とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています！頑張ってください！！ (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります！個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです！！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - １日毎だと読みやすくて嬉しいです！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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