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──結局。ヒソカさんと私の間にライオンとゾウリムシくらいの戦力差があることは分かり切っていたので、私が一人で手錠をかけることにした。
手錠をかけると、やはりそれを起点としたのだろう。壁の一角に暗闇に続く道が現れた。人が三人並んだらもう一杯になってしまうくらいの細い道。ここをすすめば三次試験の始まりだ。
歩く度に鳴る、腕を広げるには少し足りないくらいの鎖の音が、フェイ愛用の地下室を思い出させて心が空寒くなる。うう、早く会いたいよう。
「じゃあ……行きましょうか、ヒソカさん」
「うっかり死なないように気を付けてね♠」
「死にませんとも。絶対に」
死ぬ時はフェイの目の前でこの命を散らすって決めてるんだ、こんなカビ臭い牢獄で無様に息絶えてなるものか。
悠然と先を行くヒソカさんの後ろにくっ付いて行くと、背後で扉が無造作に閉じた。明かりは点かず、真っ暗な道を、ヒソカさんは迷いなく進んでいく。
「……ヒソカさん、“円”使ってないですよね？」
「念空間でもあるまいし、壁がどこにあるかくらい分かるよ♣」
バカにしてるの？ とでも言いたげな口振りに、慌てて首を横に降る。
「いえ、壁を調べたりとかしないんだな、と思いまして」
「ご丁寧に一本道があるんだから、素直に進めばいいんじゃない？ 行き止まりだったら『真っ直ぐ』行けば問題なし♦」
ああ、もう道の条件は満たした状態と想定されるから、進路の破壊も視野に入れているのか。普通に考えてそっちの方が手っ取り早いから、こちらとしても異論はない。
暗いままの道をどんどん歩いて行くと、ふとヒソカさんが立ち止まる気配がした。大分暗さに慣れてきた目で先を見ると、進む先が二つに分かれている。
「ん……どうします、ヒソカさん。二手に分かれますか」
「一連托生ではなくなっちゃうけど、いいのかな♠」
「いやぁ、特に指示もないですし、分かれた方が効率的では？ ほら。最悪ぶち抜いて合流出来ますし」
「中々力技を好むようになってきたね♣フィンクスの影響？」
「それ、フィンには絶対言いませんからね」
どうせヒソカさんのことだから、この台詞が私伝でフィンに届き、喧嘩をふっかけられるのを楽しみにしているんだろう。先手を打っておくと、ヒソカさんはちっともそうではなさそうに「残念♥」と呟いた。
「それじゃあ、私は右に行っても？」
「いいよ♦下で待ってる♥」
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています！！ (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました！とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています！頑張ってください！！ (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります！個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです！！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - １日毎だと読みやすくて嬉しいです！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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