「あの二人でヒソカさんが満足出来るのかどうか分からないけども、これ以上私を巻き込まないで欲しかった」 ページ3
素早くキルアの側から離れると、丁度ゴン君とクラピカが森を抜けてこの会場に辿り着いた。ヒソカさんとのアイコンタクトによりレオリオと無事合流した二人に、キルアも混ざりに行く。
輝かしい青少年達が育む豊かな友情を邪魔しないよう、私はそそくさとヒソカさんの所に戻った。どうやらイルミさんにフラれたらしく、手の中で例の針を弄んでいる。
「おかえり♥」
「ただいまです。……散々ちょっかい出したんでしょう」
「うん、怒られちゃった♣」
そう言う割にはやけに楽しそうだが、ヒソカさんだからいつものことだ。この人本当にサドなのかマゾなのか分かんない。その辺については考えるだけ無駄なのだろう。
相当苛立っているかな、と辺りを見渡しても、イルミさんの姿は見当たらなかった。ヒソカさんに近付きたくないのか、ずっと遠くの方に微かに気配を感じる。
あのビジュアルを長時間視界の端にとどめ、尚且つガン見されるのは中々しんどいから別に良いんだけれども。
「そろそろ始まるけど、君、試験内容分かるの?」
「……ヒソカさんにとっては楽しくない試験、とだけ言っておきますね」
ヒソカさんはあからさまにつまらなそうにふぅん、と呟き、針をその辺の木に突き立てた。根元まで刺さってやがるよ、予備動作なかったのに。流石腕相撲ランキング三位。
変化系の腕力じゃねえよなあ、なんて考えていると、いつの間にか時計の針は二つてっぺんで揃っていた。ぐるぐると、猛獣の唸り声だと言われても信じてしまえるような音が、徐々に鮮明になる。
シャッターが完全に開いた先には、当然のようにブハラさんとメンチさんがいらした。実物を見るとサイズ差が大分凄い。
唖然としている他の受験生を置き去りに、メンチさんが不思議と良く通る声で宣言する。
「そんなわけで二次試験は、料理よ!!」
とてもハンターになるにあたり必要なさそうな技能の名前に、多くの受験生は目を剥いた。ちなみに私は背後にいるヒソカさんの殺気が怖くてそれどころではない。
試験官ごっこした後で興奮冷めやらぬのは分かるけど、至近距離でこれは辛い。そっと離れようとすり足で移動しかけた瞬間、くんと服を引かれた。
引いたのはヒソカさんだが、実際に触れている訳ではない。くっ付けられていたバンジーガムが、今にも縮まんと張り詰めている。離れすぎたらまずいことになるのは明白だ。
「……もう少し、殺気抑えて頂けたらなー、なんて」
「善処するよ♠」
四月一日なのでフェイタンに「嫌い」って言って貰います(題名)→←念能力について
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています!! (2019年5月27日 23時) (レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました!とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています!頑張ってください!! (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります!個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです!更新頑張ってください! (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです!! (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 1日毎だと読みやすくて嬉しいです! (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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