3/10 更新�� ページ19
ぐつぐつ煮込んだクモワシの卵は、確かに掛け値無しに美味しかった。お土産に持って行きたいけれど、これだけ生存が厳しそうな環境なら多分持ち出しは不可だろう。
「後でこっそり忍び込もうか？」
「ひえ……こ、心読まないで下さいよ……」
「美味しかったし、ボクもいくつか獲りたいからさ♠」
「ナチュラルに私の同行を確定事項にしないで頂きたい！」
「……行かない？」
「うぐっ……ま、まあ、それはおいおい……」
何だ、今日一日でめちゃくちゃヒソカさんのいいように操られている気がするぞ。畜生いい顔をしやがって、私はそういうのに弱いんだ。フェイがしてくれないから余計に。
私が思い通りになって楽しいのか、ニコニコ笑顔のヒソカさんと共に、また先ほどの飛行船に乗り込む。
……しかし、たった二つの試験で、四百余人が十分の一くらいになってしまうとは。こうして倍率を考えると、ハンター試験が最も困難な試験と称されるのも合点がいく。
その上脱落した人らは高確率でお亡くなりになっているものだから、尚更試験の苛烈さが世間に広まるのだろう。それでもハンターになりたい奴らが後を絶たないのは、思うと中々闇が深い。
飛行船内部では、ハンター協会の職員さんに広いホールに誘導された。ホールでは、先んじて乗り込んだネテロさんとビーンズさんが、操縦桿の前で受験生を一人一人観察しながら待っている。
学生時代の集会を思い出す雰囲気だ。とはいえ整列の指示なんかはないので、集団とは一歩引いたところに立つヒソカさんに倣って、私も窓際に寄りかかる。ギタラクルさんが当然のように人混みの真ん中に立っているのは見なかったことにした。
「残った四十三名の諸君に、あらためてあいさつしとこうかの」
緊迫した面持ちの受験生一同とは対照的に、ひょうきんなネテロさんの態度は崩れない。
立派なお髭も相まって、本当に校長先生のようなネテロさんの言葉を右から左へ、ぼんやりと既に暗くなった外を眺める。成る程、ゴン君が宝石と言ったのも頷ける景色だ。
校長の話ほどは長くないネテロさんのお言葉を終え、ビーンズさんの日程のお知らせを聞くとほとんど同時に、ゴンキル二人組は元気に飛行船探検に出て行った。おばさんは早くシャワーを浴びたい。
「ヒソカさん、私シャワールーム借りてきますね」
「はいはい、行ってらっしゃい♣」
「“絶”しても分かりますからね」
「……はいはい♠」
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています！！ (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました！とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています！頑張ってください！！ (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります！個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです！！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - １日毎だと読みやすくて嬉しいです！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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