3/10 更新 ページ17
『……ヒソカ』
「うん♥随分ご機嫌ななめだね？」
『Aに手出したらお前を殺す』
「くっく……拷問狂の君が、変貌したものだ♦」
『黙れ。ワタシの思想をお前に理解させた覚えないよ。かてな印象を押し付けるな』
「冷たいな、相変わらず♣」
ヒソカさんがちらりとこちらを見る気配がする。私はそれに対して反応出来る余裕はない。フェイの弩級のデレに、うずくまって震える以外の選択肢があるものか。
「そんなに大切なら、籠にでも入れておいたらどうだい♦」
『ハ、お前やぱり馬鹿ね。自分で隔たり作てどうするか』
「うぐうっ……！」
えっ……何？ 今日フェイどうしたの？ デレ強化週間だったっけ？ そんなの体験したことないけど。
ダメだ、突然の供給に、キャパオーバーで腹痛になり始めた。幸せすぎてお腹痛い。もしかして今日あたり糖分過多とかで死ぬんじゃないか。
ああ、もう、愛されてるって良いなぁ！
「悪いけど、今Aの一番近くにいるのはボクだ♥試験中は貸して貰うよ♠」
『レンタル料はお前の頭ね。首洗てから来い』
始終ギッスギスした雰囲気のまま、お二人の久しき会話は終了した。通話を切られた携帯を返されるのとほぼ同時に、到着のアナウンスが流れる。
のろのろと鞄に素晴らしい機械をしまい込み、愚鈍極まる速度で立ち上がる。破壊力が強すぎて正常な思考と動作に辿り着けそうにない。
「しんどい……」
「愛されてるねぇ♥」
からかうような口振りだが、第三者からも愛されてると認められると凄まじく多幸感に包まれる。……が、ヒソカさんのことだ。
「ヒソカさん、私にちょっかいかけたらフェイの怒りも買えて一石二鳥、とか考えてないですよね」
「……あは♠」
「可愛く言えば誰しもが許すと思ったら大正解ですよ！！」
ほっぺたに人差し指を添えてきゃるん、と可愛こぶるヒソカさんは、やはり自分の美醜の度合いを魅せ方を分かっていらっしゃる。
そもそもの戦闘力の差もあって本気で突っかかれないことをちゃんと把握しているのだろう、「怒らないでよ♦」と頭をぽんぽんされて唸ることしか出来なかった。
せめてもの抵抗としてジト目で不満を示しつつ、タラップを降りる。その際に段差でつまづかないようエスコートするヒソカさんは、計算高いというかなんというか。怒る気力が失せてしまう。
周囲の人の好奇心丸出しな視線をびしばし受けつつ、私たちは先陣を切って飛び降りるメンチさんを見送った。
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ココ - 受験が終わってひと段落したのでこの作品のことを思い出し、ここを訪れました。本当に好きな作品で、受験前も新しいお話が追加されるのを楽しみにしながら読んでいたのを思い出しています。書き続けてくださって本当にありがとうございます。心から応援しています！！ (2019年5月27日 23時) (
レス) id: 57a3ca09f7 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(テルス)(プロフ) - この作品のことが忘れられず1年ぶりに検索してみたらまだシリーズが続いていて驚きました！とても好きな作品だったので嬉しいです。応援しています！頑張ってください！！ (2018年8月19日 1時) (レス) id: 789d697893 (このIDを非表示/違反報告)
忍乃埼(プロフ) - いつも楽しく主人公の苦労を読んでおります！個人的には1日更新の方が長く楽しんで読めるのでそちらの方がいいです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 034c8c0db3 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 1日毎だと楽しみが増えますし個人的には嬉しいです！！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: c9241f0a8d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - １日毎だと読みやすくて嬉しいです！ (2018年8月15日 10時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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