「もうパッと行ってサッとヒソカさん拉致ってビュッと帰れば良いんじゃないかと思えてきた」 ページ17
「んん、まあ、ある程度の安全は確約されてるけど。万一にもフェイを傷付けようものなら、私が許さないから、安心してよ」
『まだ雑魚の癖に何いきがてるか』
「あう、手厳しい」
別に粋がってないもん、ただの私情に基づく報復を目論んでるだけだもん、と可愛くもない言い訳を重ねる私は総スルーのフェイ。冷てえ。好きだわ。
「そもそもさ、ねえ」
尚も私の雑魚呼ばわりを続けるフェイの台詞が途切れた瞬間を狙って、一文を吐き出す。出来ればフェイが困る所が聞けたら良いなあ、という邪心を抱いて。
「フェイを愛してるんだから、弱くたって強いようになれるのよ」
一秒と、コンマ六秒程の沈黙。来たるG.I編に向けて鍛えに鍛えた時間感覚は多分間違っていないだろう。
兎に角、約二秒の間を置いて、フェイははっ、と笑った。……いや、これは、嗤った、が正しいか。
『やぱりお前馬鹿ね。それだたら尚更、ワタシの方が強いよ』
今度は私が黙り込む番だった。ええと、フェイさんそれはつまり、愛の大きさなら負けねえぜというアピール的な何かでして?
いやいやいや、フェイに限ってそんなこと……あっ結構するかも知れない。変な所で負けず嫌い発揮するんだから愛しのダーリンは。
嬉しいやら恥ずかしいやら、やっぱ結局嬉しくて「好き……」と息も絶え絶えに呟く私。今めっちゃ幸せ。
『それより、まだ会場には着かないか?』
「それよりとか言わないで! 悲しいから!」
『船旅も長いと飽きるね』
「えっあっうん、そうだね……」
マジかよ安定の総スルーかよフェイたん、そんな所が好きなんだよ本当。もう好きとしか言いようがない。
ばっさりと「それより」で切り捨てられたのは、うん、良いとして。
「まあ、まだだよ。船長曰く『荒れる』らしいから、結構ギリギリになる」
『そか。替えの服は?』
「もちコース持ってるよん。無かったら作るし」
なら良い、とフェイは電話の向こうで満足気に頷いたらしく、そのまま通話はぶつっと途切れた。
あの人なりに心配してくれてるんだと思うと、心がぴょんぴょんする。どうだこれでも相思相愛なんだぞ。
声を聞けば聞く程会いたくなるし、今すっげえあの……言い方あれだけど、欲求不満よ? ヤバいよ? 超絶フェイを抱き締めたい欲。
段々本格的に、私の中での優先順位が狂気的になってきた。原作ぶち壊さないよう、注意しないとな。
「もう少しで着くと思うと心踊る所がなくもないけど圧倒的に清涼剤が足りねえ」→←「愛しのダーリンの声を聞くだけじゃもう足りない! 会いたい! 一緒に来て欲しかった!」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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