「お爺ちゃんに欲しいキャラクターランキングを作ったらかなり上位に入れたい人です、船長さん」 ページ11
本格的に真剣な方向でありがとうございます家宝です、とシャルさんにメールを送り、バックアップも取って画像を保存する。これでハンター試験乗り切れそうな気すらしてきた。
うきうき気分で甲板に乱雑に積み重なっていた木箱の周りの埃を取り除き、板に背を預けて座って目を閉じる。今なら幸せな夢を見て眠れそうだし。することないし。
潮のにおいに睡眠を妨害されながらも、私は頑張って眠ろうと試みた。
人の気配で目を覚ます。丁度船長さんが甲板に出て来て、私を探しているようだった。あの位置からは死角になっているらしいので、伸びをしてから立ち上がる。
「おはよー、ございまーす」
「中に毛布あんだろうが、何でこんなトコで寝てるんだよ」
「言っちゃ悪いけど、あの毛布ゲロ臭くて」
「違いねえ」
からっとした笑顔を見せた船長さんは、ほれ、と口に咥えていたパイプで私の背後の更に向こうを差した。
後ろを振り返った私は、思わず「おお」と間延びした声を上げる。アニメで見た通りの、そっくりそのまま同じ鯨の形をした島。
あれが、ゴン君の。そしてジンさんの出身地か。
ジンさんの出身地と銘打てば幾らでも金は稼げるだろうにそれをしないのは、島民達がジンさんの偉業を知らないからなのか、或いはそれをする意味がないと思っているからか。
元々出稼ぎの漁師が滞在する為の島だし、こんな辺境に浮かんでいるし、大袈裟に発展させる必要はないのだろう。この島の生態系はかなり平和なようだし。
「お前、ずっと船で退屈だっただろう。どうせ物資の補給の為に二、三時間停泊する、その間に島の観光でもしとけ」
「良いんですか！？ やったー！」
船長さんはパイプを吹かしながら、気のせいかも知れないが孫を見るお爺ちゃんのような目で私を見た。お爺ちゃん、私もう成人済みです。歳的に釣り合いません。多分。
「おい、お前ら、船停めるぞ。準備しろ」
私に背を向けて、船長さんは船員さん達に指示を出した。原作でも細かな気配りが出来てる人だと思ったが、確かにこれは人望を集める性格ですわ。
今にも動き出しそうな程にしっかりと鯨の形を作り上げた島に視線を寄せる。海面が弾き返す太陽光が目に当たって、ちかちかと白く瞬いた。
島に上がったら何をしようか。取り敢えず公衆浴場でも借りて、食べ物を買って、港でゴン君の出待ちでもするかな。
「コミュニケーション大事。これどの世界でも共通。何はともあれ魚が美味いから良いんだよ！」→←「シャルさんとの仲はすこぶる良好なんだけれども、なんかこう、時々ヤベェ注文をつけられる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 764人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (
レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー！ うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました！後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね！(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所！ (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……！！！ (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
