42話 ページ7
ある日の夕方、私は庭の木で鳴き続ける蝉に耳を傾けながらお茶を喉に通していた。夕飯を作るまでのゆったりとした時間、生徒達も帰してゆっくりとできる時間だ。そして上手くいけばAと2人きりで過ごすことができる。
子供達といる時間は嫌いではない、むしろ好きだ。だが好意を寄せている
このお茶もAが煎れてくれたものであり、それだけで世界1美味しく感じる。それに「おつかれ」なんて微笑まれたのなら!幸せで死んでしまいそうだ!
そんな私の心を知らず彼女は伸びた髪を揺らして私を呼ぶ。
「髪結い紐を持っていないか?うっとおしくて堪らないんだ」
困ったように笑うAに胸が鳴る。豊かになる感情、それが全部私が起爆剤であればいいのに、なんて思ってしまう。私にはこの
そんな心を悟られないように私は微笑った。
「探してみますね」
「ありがとう。じゃあ僕は銀時達を呼んでくるから」
気をつけてと言えば笑顔で「おう!」と返してくれる。そんな君が好きで堪らない。
最近髪を伸ばし始めた理由が私でありますように。私は彼女に合う髪結い紐を探すべく足を動かした。
余韻を感じながら昼に遊びに行ったやつらを探す。まだ煩い心臓は何かの病かもしれない。松陽に相談するのがいいのだが何故だが憚られる。この形容しがたい感情を掻き消すように頭を振って銀時達を探しに足を進めた。
しばらく歩くと遠くから声が聞こえてきた。
「おい低杉!やめろ!」
「誰が低杉だ!この腐れ天パ!」
「天パでも腐ってませんー」
「中が腐ってんだろ」
「んだとゴラァ!やんのかあ"ぁ"ん"?」
「上等だやってやろうじゃねぇか!」
「やめろお前ら!濡れるだろ!」
「「うるせぇ!ヅラ!!」」
「ヅラじゃない桂だァァァァァ!」
3人は川で遊んていた。銀時と晋助が水のかけ合いをし、それを止めようとする小太郎。しかし結局は参加してしまい、3人ともずぶ濡れである。夏とは言え、風邪を引くからと3人を止めようと僕は近づく。松陽に埋められることは確定なのだが。
3人はまだ僕に気づいていないようだった。
「おーい、そろそろ帰る、ぞ…」
ばしゃっと言葉の途中で僕の顔に水がかかる。黒い僕の袴は水を含んでさらに黒くなっていた。
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作者名:月光 | 作成日時:2018年8月4日 0時