64話 ページ29
さて、遊ぶとなっても何をするかと4人で頭を抱える。どうせなら子供らしさのある遊びをしたい。遊びといっても詩歌管弦などではないように。
何も必要とせず子供らしい遊び、誰からともなく出たのは「鬼ごっこ」であった。普段はしない、体格的に公平な今だからこそできる遊びだった。
僕は二つ返事でそれを了承した。
鬼はじゃんけんで負けた銀時であり、流石の体の使い方というのか攻防の末に晋助と小太郎の背に手を触れていた。残り1人ともう勝った気でいる銀時に僕は1対1を楽しんだ。しばらくするとあちらの体力も消耗していたのか、僕を追う速度が低下する。汗を拭い肩で息をする銀時に僕は言った。
「3人でかかって来いよ」
「るせぇ!そんなのしなくても平気だっての!」
「息上がってるぜ?負けたときの言い訳作りか?」
「上等だぁぁぁ!!やってやらぁぁ!」
少し煽れば日の射す暑い日をさらに暑くさせるような熱量が僕に降る。銀時は木陰で休んでいた晋助と小太郎を呼び、僕を囲んだ。
ここからが楽しい鬼ごっこの時間である。
数分後、僕は目の前でだらしなく地に項垂れる3人を見下ろしていた。滝のような汗と肩どころか全身で息をする3人、それとまだ息すら上がっていない僕。子供の体力とは底なしで、不思議と疲れなかった。
「速過ぎだろ」
「もはやこれを鬼ごっこと呼んでいいのか?」
「ごっこじゃないだろ、マジだろ」
げほげほと咳き込みながらそうぼやく3人に影を作るように僕は上から見下ろし、そのまま告げる。
「いいか?鬼ごっこは逃げるための運動能力だけではなく鬼を巻いたり、罠に嵌めたりするための知力も発揮される遊びなんだ」
「お前は鬼ごっこに何を求めんだよ!」
「鬼ごっこってこんな難しかったっけ」
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作者名:月光 | 作成日時:2018年8月4日 0時