【銀魂】不老不死の女は寺子屋の先生になって幸せに暮らしているそうです《松下村塾篇２》 (ページ24)

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59話ページ24

用意された粥を食い終わり、僕は再び布団に仕舞われる。僕はもう治ったと言っているのに甲斐甲斐しく世話を焼く松陽は少しだけ楽しそうだ。
「僕が風邪引くの楽しいのか？」
そうなれば中々に危ない思考を持っていると判断せざるをえない。
しかしそれは少し違うようで、松陽は慌てて否定する。
「君はいつも私を頼ってくれないでしょう？頼らざるをえないからかもしれませんが、今は頼ってくれている。それが不謹慎かもしれませんがとても嬉しいのです」
布団に寝かされた僕の頬を撫でて松陽はそう言った。
松陽の言葉に僕は頭の中で考える。
僕は僕なりに頼っているつもりだった。何故か高いところに仕舞われている物を取りたい時、松陽を呼んで取ってもらったり。自主的に松陽から言うが、買い出しの荷物を持ってもらったり。朝弱い僕に代わって朝食の用意をしてもらうのだって、完全に頼っているだろう。
「十分頼っているだろ？」
「全然ですよ…私って頼りがいのない男ですか…？って、こんなこと言うから頼りがいのないんですね。ごめんなさい、忘れてください。では私は片付けをしてきますね」
勝手に自己完結をして勝手に寂しそうにして勝手に離れようとする松陽の腕を掴んで引き止める。
僕には松陽が何故そんなに寂しそうにするのかわからなかった。しかしこれからも長い付き合いになるのだ、消化できないものをそのままにしておくのは僕だって嫌だった。
ここで僕はあることを思い出す。それは恋愛相談という名の子供達による尋問会での話だった。

「先生いい？男の子はね好きな人に頼られたい生き物なの」
「お前いくつだよ。女の子の精神発達は早熟だと言っても限度があるだろ」
「黙って聞く」
「…はい」
「甘えられたり頼られたりすることによって、男としての自信につながるの。あとは好きな人の力になりたいとか役に立ちたいとか、周りへの牽制にもなるね。でも1番は彼氏だから、1番近い存在になりたいんじゃないかな」
「1番…」
「A先生は私達から見て完璧超人だし、何でもそつなく熟すじゃん？だから自分で全部やって、松陽先生のこと頼ったり甘えたりしてないんじゃない？」
「…確かに。大体できるからな、頼るまでもない」
「そこ！そこなの！多分先生はもっと甘えてほしいと思ってるよ。A先生の理解者で相談役で、ただ1人の1番になりたいんだよ。先生って独占欲強そうだし、甘やかしたい人だと思う」