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39話 ページ2

どうもこんにちは。また会いましたね。前篇でも初めに「語り」としてお邪魔いたしました、私です。これからも各篇の初めにおさらい係として「語り」をさせていただく所存ですので、どうぞよろしくお願いいたしますね。
さて、挨拶はこのくらいにして「語り」のお仕事をさせていただきます。不要な方はどうぞお飛ばしくださいませ。

あの騒動のあと2人の教師「吉田松陽」と「吉田A」は、自らの弟子の3人「坂田銀時」「高杉晋助」「桂小太郎」と一緒に新たな寺小屋を開こうと土地を探していました。
まぁ吉田松陽と吉田Aは美形ですから、すぐに見つかりましたけどね。どの世界でも美形の男と女には弱いものらしいです。彼らはそこでまた寺小屋を開きました。そして前と同じく、貧しい子供達のために無償で手習いを教えるべく周りの家に営業(金は取らないが)をかけに行きます。しかし初めはそんなうまい話信じられるわけもなく、怪しい人達として認識されていました。誠実に対話した結果、ぼちぼちと生徒が集まりだします。彼らの武士道に魅せられた結果でしょうか。

そして話は吉田Aに移ります。彼女は吉田松陽や弟子達と過ごし、人間生活に慣れてゆく内に様々な感情を知っていきました。しかしここで問題が生じます。彼女は「愛」がなんだかわかりませんでした。彼女は「愛」を博愛的なものと見ます。犬猫に向ける可愛らしいという感情、花々を見て美しいと思いそれを愛でる感情、弟分や弟子達など子供に向けた慈しみの感情、そして家族に向けた親愛なる感情、全てが同じ「愛」でした。子供じみた「全部大好き」そんな感情です。
しかし、そんな彼女にも変化が訪れます。彼、吉田松陽の教師をする姿を眺めていた時のです。彼女はその姿を見ることが好きでした。彼が幸せそうに楽しそうに微笑うからです。その姿を見ることが彼女も幸せでした。そこで彼女は気づきます。自身の動作や他に向ける感情と少しズレた感情を。「あぁまるであの時見た物語のようだ」と客観的に追体験する物語を連想します。今、彼女の博愛的な「愛」が壊れようとしていました。愛情というフォルダに1つ項目が足されようとしているのです。

そろそろ時間ですね。今回はこの辺で終わりにいたしましょうか。…私の名前?そうですね、名乗る大層な名は持ち合わせていないのですが、「シン」とでも今は名乗っておきましょう。
それではまた合う日まで。

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作者名:月光 | 作成日時:2018年8月4日 0時

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