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263話・ ページ40

Aside〜


其の言葉を頭に巡らしながら視線には総悟の後ろ姿。総悟の言う通りだ、僕達は何の為に戦ったのか。御上の為?契りの為?自分の為?吉原の為?舞蔵さんの為?僕の場合吉原と舞蔵さんの為以外にも自分の為だったのだろう。少しでも近づきたかったから。手掛かりが、もっと言えば会いたかったから。叶わなかったが

…月姫にも約束したんだ、絶対に会わせるって。約束は絶対守りきらないと意味ねェだろうが。取り敢えず舞蔵さんを城中から出す事が一番の目的、しかし厳戒体制の城中から出すなんて容易ではないだろう。何か方法は無いのか、そう考えている時、一つの考えが浮かんだ。思い立ったが吉日、そう云うだろう?僕は隣で団子をまだ食っていた銀時の肩を持つ。すると其の目は僕と同じで何かを思い付いている悪戯っ子の目だった

A『良い事思い付いたんだ。お前もだろ?日が落ちる前に片付けるぞ』

銀時「嗚呼Aは真選組(彼奴等)頼まァ。俺は神楽達と将軍様当たるわ」

もう一度背中を任せて、行く予定の無かった屯所に足を運んだ。其の時にトシに”昨日は大丈夫だったか?”と言われたが、僕には何の事か解らなかった。電話の事は憶えている、朧の事も。しかし電話と朧に会うまでの事が丸々記憶から抜けているんだ。気付いたら四人で寝ていたし…。酒でも呑んでいたのか?


月詠「(そういえばアレだけ朧の攻撃を受けておいてAは無傷なのか?神楽のように生命力が強い種なのか?)」


日が沈み、真ん丸い大きな満月が空に浮かんだ。夜らしい静けさの中には白い制服。此の緊迫した政治状況下で敵政につけ入られる些細な隙すらも作らせまいと城中を彷徨く。しかしこんな状況を覆し、侵入するのが僕だ。信女に頼んで城中に行く為の通路の監視を手薄にしてもらう。其処からこっそり入るんだ。何だか忍になったみたいで少し楽しい

僕を先頭に殿中に入ると、其処には丁度部屋を出ようとしている舞蔵さんと其れを止める佐々木がいた。佐々木は舞蔵さんに部屋に戻れと言う。しかし舞蔵さんの決意は硬い様だ

舞蔵「命令違反は百も承知、どうぞ足でも首でも斬るなら斬ってくだされ。だがあの日交した約束、皆がもういちど繋いでくれた、この魂に繋がれた約束(いと)だけはいかなる刃をもっても断つ事はできませぬ」

佐々木「此の厳戒体制を抜けられると?老人の夜遊びなど見逃して然るべきですが今は状況が違う。もう一度だけ言います、部屋にお戻り下さい」

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作者名:月光 | 作成日時:2021年2月22日 18時

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