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253話【地獄と極楽】 ページ30

Aside〜


月詠「その身体では無理と言っても行くのじゃろう。ならばわっちも行く。約束は破らせぬぞ舞蔵も……ぬしらもな」

今井「最後の仕上げね。おいしい所だけ持って行かせない。ドーナツは最後の一口が美味しいの」

もぐもぐと最後の一口のドーナツを口に頬張る信女と強い決心の見える月詠に僕は嬉しくなった

定々の性格上、全ての元である吉原に向かい鈴蘭太夫を殺そうとするだろう。奈落の力を使うのであれば、吉原を一夜で堕とす事は簡単だ。この反乱の中で避難をしないと云う莫迦な選択をするのであれば僕としては有り難いが

策を練りながら歩いていると、突然大きな音と衝撃にみまわれた。今度は何があったのかと柵から外を覗く。すると其処には面白い光景があったのだ。江戸城を囲まんばかりの人の数。遠すぎて詳しくは解らないが、人々が道を開け馬に乗っている人が居るのを確認すると其れは明確だ。将ちゃんが真選組と見廻組を動かし、否、警察機構を動かし舞蔵さんの為に動いてくれているのだ。其の外を眺めていると一つの案が浮かび上がった。此れなら行けると我ながらいい案を思いついたものだと嬉しくなった

A『良い案を思い付いたのだが、聞いてくれるか?』


作戦通り視界に映るは大きな船。僕の指示通り月詠はクナイに紐を付け船の柱にクナイを巻きつける。あっという間に船の中へと侵入できた。そして予め着ていた奈落の服と笠で変装し、定々と朧を待つ。辺りは血の海でゴロゴロと転がる死体が邪魔だ

少し待つと此方に向かってくるのは、定々と朧。船から掛かる階段を一つ一つ登る定々の後ろに銀時が張る。船の中心部には信女、階段の先には僕と月詠が立っていた。僕達に気づかず部下だと思い朧は僕達に命ずる

朧「殿を案内せよ。私も後から行く、舵は吉原だ」

ガコンと音を立てながら伸びた階段は船に収納される。朧の視界に映るのはクナイとクナイに繋がる紐。まさかと思ったのか船の方を見る朧の後ろには既に銀時が立っており、定々の両脇には僕と月詠が立っていた

A『吉原?それは残念だなァ。当船の行き先は極楽では無いぜ』

銀時「地獄行きだコノヤロー」

銀時が朧をぶっとばす音が聞こえ、これが合図と言わんばかりに、月詠はクナイで定々を壁に貼り付け、僕は錫杖を定々の股下へと投げ刺す。そして暫くすると信女が船の核を破壊してくれたのか船は大きな爆発に包まれていた。銀時と朧が対峙する反対で定々を囚えた僕達の目に映るのは数多の船

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作者名:月光 | 作成日時:2021年2月22日 18時

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