252話・ ページ29
Aside〜
僕達に声を掛けることに必死になり、月詠の後ろから忍び寄る奈落に気づかない月詠。奈落が刀に振り上げると同時に僕の刀と銀時の木刀は奈落に突き刺さる。心なしか少し動きやすくなった気がした。自分の腹を見ると其処には注射針が刺さっていたのだ
佐々木「活性の経絡です。暫く痺れは取れないでしょうが少しは動けるでしょう。御心配なく針には血清も仕込んであります。エリートに抜かりはありませんから。嗚呼、吉田さんには必要ありませんでしたか。何故か毒が効かず既に動ける様でしたから。しかし此れで貸し借りは無しって事で。さっさと凡人達の所に帰りなさい」
佐々木の鋭い指摘に僕は立ちながら刀の血をはらう
A『否、僕もテメーの言う凡人だから助かったぜ』
疑う佐々木の目を無視して、座り込む銀時に手を差し出す。手を取り立ち上がった銀時は、弾丸のように佐々木の方へと突っ走る
銀時「こんだけ返却遅れて延滞料金の一つも無しかコルァァァ!!」
血みどろで迫る銀時はホラー映画も吃驚だろう
拳銃を構える佐々木の頭を踏み台にして銀時は跳ぶ。そして着地地点は定々と朧が消えていった上の階だ。延滞料金に何を御望みかと聞かれた銀時は、淡々と告げる
銀時「
佐々木「…やれやれ、延滞料金としては随分高くついたものですね」
踏まれた頭に手を置き、困ったように言う佐々木に銀時は少し微笑いながら言った
銀時「いや…安い首さ」
そう上で呟く銀時に向かって奈落は針を取り出す。そんなに遅く、堂々とした攻撃なんて子供でも躱す事は容易い。暗殺組織構成員として終わっているなと、刀に血が滴るのを見る。僕も銀時と同様、奈落を踏み台に上へ跳ぶ。また懲りずに僕に針を向ける奈落の存在にも気づいていたが、後ろから発砲音が聞こえた為振り返らずに前を進む
佐々木「見廻組に告ぐ。これより全てのエリートはあの凡人達の補助に回りなさい。エリートの威信にかけて何人たりとも
頼もしいエリートサマだなと笑みが溢れた
毒を抜いてもやはり辛いのか、息の荒い銀時を隣に長い廊下を歩く。歩いていると壁に凭れかかり煙管を蒸す月詠と柵に座りドーナツを食う信女と遭遇した
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:月光 | 作成日時:2021年2月22日 18時