246話【大獄】 ページ23
Aside〜
月詠「何をしている銀時!しっかりしろ!」
今井「死にたいのなら斬ろうか」
床に倒れ動けなくなった銀時をチラリと見た信女は肩に刺さっている針を抜く
今井「経穴を突かれている。しかも毒針で」
銀時「ヤベーのか?」
今井「身動きが取れない所か毒を抜かなきゃ死ぬ」
A『あいも変わらず性格悪い戦法だな。僕も刺されたんだが…』
今井「Aに毒は効かな……」
月詠に余計な事を知られないために僕は信女の口を塞いだ。しかしこんな遣り取りをしている内に奈落に囲まれる。キリがないなと小さな溜息を零した。苦虫を噛みつぶした様な僕等を見て定々は嘲笑う
定々「随分と手こずらされたものだな。
床に笠が転がり、(確か前にも見たことがあるが)朧の素顔が明かされる。虚ろ気な記憶を呼び戻し過去と一致させる。嗚呼、そうだ。あの時の哀しそうな目をした青年だ
朧「いえ、以前にも一度。
銀時は朧の顔を見た途端、目を見開き歯を食い縛る。僕も朧の方を見据える
銀時「てってめェは…!」
朧と僕達の様子に定々は知り合いかと朧に訪ねた。朧は少しの沈黙の後口を開く
朧「寛政の大獄の遺児達にございます」
”寛政の大獄”と云う言葉を月詠は繰り返す。月詠は吉原に居たのだから知らないのも無理は無いだろう。定々は知らない月詠に説明するように口を開いた
定々「攘夷戦争…開国の折、政事も知らぬ侍共は幕府を売国奴と蔑み世の気運は攘夷一色となった。天人との関係悪化を懸念した
長々と喋る定々のあとに続くように朧も口を開く
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作者名:月光 | 作成日時:2021年2月22日 18時