220話・ ページ43
Aside〜
僕が食堂で昼食を取っていた時の事。懐に入れていた携帯電話が振動しだした。前にも同じような事があったな、また銀時が問題を起こしたのだろう、そう思っていると案の定画面に映る文字は”万事屋銀ちゃん”からだった。面倒だなと思いながら電話に出る
A『如何した?』
銀時「お前五、六十年前何してた?」
A『……は?』
質問に疑問符で返す事はさておき、電話に出ての一発目の質問に其れはないだろ?とでも言いたい
A『迫害されながら殺し』
此処が食堂だということを忘れていて、とんでもない事を口に出した。僕は周りに気付いて慌てて口を塞ぐ。僕に視線が集まる。その視線から逃げるように食堂の外に出た。後で適当に小説の話とでも言っておこう。どんな小説だと僕でも思うが
A『何故だ?』
銀時「ちょっと調べたい事があってな。……悪ィ、言い方悪かった」
珍しく素直に謝ったので僕は許した。チョロイなんて言う奴は後で出てこい
銀時「あと頼みてェ事があるんだけど良いか?」
頼まれた事、其れは旧吉原の事だった。要は地下に潜る前の吉原と言う事だな。話を聞いた時、だから五六十年前の事を聞いたのかと納得した。残念ながら僕はまだ迫害の真っ只中、鈴蘭どころか真っ赤な彼岸花を咲かしていた所だな、ハハハ。旧吉原を知る奴が居ないか探してみてくれないかとの事だ。警察庁の電子機器に載っているのは前科持ちの奴だけと伝えたがそれでも良いから調べてくれと言われた。”鈴蘭太夫”を知っている奴を探しているらしい
吉原の事なら吉原に居た者の話を聞いた方が良いのではないか、そう思った僕は月姫の元を訪れた。事情を話すが、まだ全然現役だった月姫には解らなかった。地道に聞き込むか、そう思っていると月姫は小さく口を開けた
月姫「A様、”心中立て”って知っていんすか? 昔吉原では遊女と客が髪を互いの小指に巻き付けて、互いの愛を誓いあったんでありんす。遊女って云うのは商売でありんすから色々な客の相手をしんせん事にはなりんせん、でもわっちの愛は貴方だけのもの、わっちは決して貴方を裏切りんせん、そんな誓いを示す為に遊女は自分の髪や爪、血判を贈るのでありんす。しかし残念ながら其のたくさんは、客からお金を搾り取る為の遊女の手管でしかなかったと云いんす 」
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作者名:月光 | 作成日時:2020年8月17日 21時