【銀魂】不老不死の女は江戸に住んでいます《4》【バラガキ篇】【金魂篇】【一国傾城篇】 (ページ27)

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205話・ページ27

Aside〜

日が傾いてきた。空が薄っすらと橙に染まる。その空を見て僕はそろそろ帰ろうかと席を立とうとした。しかし僕の上げようと思った腰は止まる。信女が僕の着物の裾を掴んでいたからだ

今井「また、来て」

淡々としたほんの少しの言葉だが、ひどく暖かく感じたのは僕の気のせいだろうか。僕は掴む手を取って繋ぐと、信女と目線を合わせるように屈む

A『勿論、またドーナツ持って来るよ。嗚呼、見廻組の屯所の門に居てくれると助かる。不審者と思われるからな』

今井「Aを疑う人は私が斬る」

物騒な事を言い鞘から少し刃を覗かせる信女に、其れは駄目だと注意する

最後に手を振って屯所を出た。控えめに振り返してくれて少し嬉しかった。しかし屯所の門の前には佐々木が立っていたのだ。僕を待っていたみたいだ

A『今日はありがとう御座いました。またお邪魔させて頂きます』

社交辞令に敬語と笑顔を添えると、佐々木は表情を変えず僕に言う

佐々木「信女さんも喜んでいらしたしまたいらして下さい。嗚呼、社交辞令は結構ですよ」

A『……何を企んで何と繋がっているのかは知らないが、僕のモノに手を出すのなら僕は見廻組諸共テメーを消す。其の真っ白な制服を真っ赤に染めてな』

”おぉ怖い”なんて思ってもいない事を口に出す佐々木。今以上に敵対しても何の利も無いが、此れだけは言っておきたかった。先程言った事を無しにするように僕は笑う

A『なーんて冗談だ。また来るぜェ』

すれ違った時に”本気でしたよね”と聞こえたが、気のせいという事にしておこう