204話・ ページ26
Aside〜
A『手紙か』
僕の問いにトシは体を起こして言う
土方「あぁ、でもやっぱ何も浮かばねェんだわ」
机の上の封筒には“バラガキ様へ”と書かれている。ふと下を見ると”バラガキより”と書かれている紙飛行機が落ちていた。皆不器用だな、そう思いながら手に持っていた見舞い用のフルーツとマヨネーズを机の上に置いた
A『こんにちはー今井信女さんいますかー?』
「誰ですか貴方」
朝から行くのは僕が嫌だから、太陽が真上に登った頃僕は見廻組の門を叩いた。骸=今井信女なのかを知りたかったからだ。確かドーナツが好きだと記憶していた為、一応片手には買ってきたドーナツの箱がある
しかし、見廻組隊士は僕を入れてくれないみたいだ。真選組の制服を着たら警戒されると思い、私服で来たのだが、あまり効果は無いようだ
A『見廻組副長今井信女を呼んでくれと言ってるのだが、解らなかったのか?』
「もしかして馬鹿にしてます?其れは解りますよ。貴方何方ですか?副長に何の御用ですか?」
A『だーかーらァ、信女呼んでくれって!僕の事知ってる筈だから!』
「何ですか警察呼びますよ!」
A『警察はお前だろ』
騒ぎを聞きつけ、奥から出てきたのは数日前に会ったエリートサマ
佐々木「何の騒ぎですか……おや、アナタは真選組の」
A『真選組副長補佐兼零番隊隊長吉田Aです、今日はのぶ…見廻組副長今井信女さんに用があって来ました』
局長の知り合いだとは思わなかったのか、門に立っていた隊士は敬礼をする。佐々木は僕の片手にあるドーナツの箱を見て中に案内した。見廻組の屯所を見渡すと、案内されたのは良く陽が当たる縁側。其処に居たのは僕が探していた者だった
今井「……貴女はA?」
A『嗚呼、僕はお前の知る吉田Aだ。お前は、、信女だろう?』
こんな場所で”骸”なんて名を出してはいけないと思い、今の名乗っている名を出した。信女の目線は僕の片手にあるドーナツの箱だ。佐々木に席を外してもらい、縁側に二人で座る
A『ドーナツを持ってきたんだ。確か好きだっただろ?一緒に食べよう』
二人でドーナツを片手にポツポツと喋り始めた。アレから如何してたか、何があったか。謝られたのは謎だが、信女なりに色々気にしていたのだろう
A『信女は彼処から出て良かったと思うか?』
僕がそう問うと何も言わずに首を縦に振る。その様子を見て僕は微笑って頭を撫でた
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作者名:月光 | 作成日時:2020年8月17日 21時