25話 ページ26
うんともすんとも言わない松陽を不思議に思っていると、松陽は小さく息を吐いてぼくの手を取った。ぎゅっと握られる手には力が入っているが優しい。
「いいですか?結婚とは大人の男女がするものであって、子供の私達はしません。『でもぼく達はその辺の人間の成人個体より年月は重ねているぞ』それでも!身体は子供でしょう?大人の男性のお婿さんと大人の女性のお嫁さんがいて、初めて婚姻関係なんです」
つまりまだ小さいぼく達はケッコンというものはできないということだろう。少し寂しい。
「そうか残念だ。ではぼく達が大人になって、松陽がオムコサンとしてケッコンできなかったらぼくが松陽をオムコサンにする」
「い、意味わかってるんですか!?」
こいつは先程自分が言ったことも覚えてないらしい。
「『好きで大人』ならいいんだろ?」
ぼくがにっこりと笑えば、松陽は力なく壁伝いにズルズルと座っていった。
(((この人は私をどうしたいんだ……)))
「ケッコンの話は置いて、名字どうするんだ?」
「確かこの付近の土地の名前が書いてある看板があったはずです。私山を登っている時に少し見ましたから。探しに行きましょうか」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
153人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月光 | 作成日時:2018年6月2日 16時