たった一つの愛を探した。【wrwrd】 (ページ4)

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Schaffung ページ4

「────俺の夢は、この国を世界一にしたい」

「世界、一？」

「ああ。我が国は今、俺のような子供が成り立たせている。それを見た世界が俺達を哀れみ、そして嘲笑している。────俺はそれが許せない！」

彼は怒りをあらわにするように拳を握りしめた。

幼き子供、グルッペン・フューラーの野望。

(私は、この方の傍にいれる存在なの？)

途端、自分の力不足をやるせなくなってきた。

自分が無能だから、何も出来ないからと彼を追い詰めたのは私ではないか。

私は、私は────

「応援します。グルッペン」

「ありがとう。エリー」

「そして私も、あなたの傍に堂々と立てるような、立派なレディになる。だから、まだ、あなたの婚約者でいさせて」

これは、私のわがままだ。

私の、エゴ。

「……ああ！共に、この国を再建させていこう。また、この夜空を見れるように」

眼前に広がる夜景は、いつの日か絵本で見た、夢見た景色だった。

王子様なんて呼べるものはいないかもしれない。

けれど、今はもう─────

(私の横に、愛する人がいる)

チラリと横目で彼の姿を見る。

自信満々な笑みは、まるでお父様とお母様が亡くなる前のようで。

「あなたに、追いつけるように」

そう小さく呟いた。