鬼の姫君が蝙蝠達を救済する話～序章参～ (ページ8)

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朝餉と幼馴染ページ8

貴女side

受ける視線は､昨日一昨日よりかは優しいものになっていた｡

黒蝶の敷地内に拠点を置く分家には､昔から遊んでくれた人が結構いたりする｡

幼馴染も全員敷地内出身だ｡

「やぁおはよう､幽！」

席に向かう途中､声を掛けられた｡

貴「景光(ヒロミツ)さん､お早うございます｡」

私が挨拶すると､ニヤニヤと笑い出した｡

景「やだなぁ､昔みたいにヒロ兄さんって呼んでもいいんだぜ？」

貴「そういう所は背が伸びても変わりませんね､ヒロ兄さん｡」

なんだと！､とこめかみをグリグリしてくるこの人は､私の幼馴染の一人であるヒロ兄さん(15)｡

母の従兄の子供､つまりは再従兄にあたる関係だ｡

敷地内に屋敷を構える分家の中でも特に黒蝶家に影響を持つ家の長男で､跡取り息子でもある｡

半妖なんて気味悪いだろうに､昔から良く面倒を見てくれた｡

景「お前最近頑張ってるらしいけど､無理しすぎんなよ？」

貴「…ありがとうございます｡」

記憶が戻って分かったのは､今私の頭を撫でているこの人もまた転生者だと言うこと｡
琉華(わたし)の方で手続きをした覚えがある｡

…うちの血筋､転生者多過ぎやしないか｡

ヒロ兄さんと別れて､自分の席に着く｡

貴「お早う､ヒデ｡」

秀「お早う､姉さん｡」

隣は勿論秀飛(歓喜)｡
次期当主と次期当主補佐は二人きりの食卓らしい｡
食事取り仕切ってる式神達､ありがとう｡

そして二畳隔てた先には､当主が来客者と会食をする食卓があり､今日はダンブルドア教授と祖父､正人が座っている｡

教授と目が合ったので､笑って会釈する｡
ダンブルドア教授も朗らかな笑顔で返してくれた｡

秀飛と色々話をして盛り上がっていると､式神達が朝餉を運んできた｡

献立はいつも通り

・玄米粥
・豆腐味噌汁
・鮎の塩焼き
・だし巻き玉子

､と典型的な和食｡

ダンブルドア教授は大丈夫だろうかと秀飛と二人揃って横目で伺うと､寧ろ薄氷色の瞳をキラキラ輝かせて爺様にあれこれ聞いている｡

それに対して爺様も丁寧な対応をしている｡

貴「…大丈夫そうだね｡」

秀「うん｡」

食卓に視線を戻すと､箸を手に取って二人で朝餉を食べ始めた｡

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作)青山先生ごめんなさい:(´◦ω◦｀):ｶﾞｸﾌﾞﾙ