73.弱さ ページ25
一仕事終えてAの様子を見に行くと、随分と魘されていた。悪い夢でも見ているンだろうか。
此れは、起こした方が良いな。
中「おい、A、A!」
『ん、………ぅんー………なかはら、さん?』
中「大丈夫か?凄え魘されてたぞ?………っおい!如何した?」
俺をはっきり視界に捉えたかと思えば、Aはボロボロと泣き出した。
中「ちょっ、え、は?おい、A?」
『……さい……』
?
『…なさい………ごめんなさい、ごめ んなさっ、』
一体如何したってンだ。
『もっと、働いてっ、強くなっ、て、実戦で、も役に立って見せる、からっ……お願い、捨てないでっ………』
!!
嗚呼、そうか、そうだな。Aはずっと、実戦に出てない事を気に掛けていたのか。其れに、彼奴は孤児だった筈。捨てられるのがトラウマになってンだな。
そんな事絶対ェしねえのに。
Aも人の子って事か。病気の時は心が弱くなるって云うしな。
中「大丈夫だ。絶対に手前を捨てたりしねえよ。頼まれたって他所にやったりするモンか。」
近付いて頭を撫でてやれば、此方を見上げる。その顔は涙に濡れていた。
『う、ヒック、っ、ック………ほんと、ですか…?』
中「勿論だ。手前は足手纏いでも邪魔者でも無え。不安になる必要は無えよ。」
『じゃ、わた、し…此処に居ても、良い、の………?』
中「ったりめェだろうが、手前は俺の補佐官なんだからよ。」
『!!…う、うぅ、中原、さ、私、中原さんの、お荷物になってるんじゃ、ないかって、』
中「そんな事無えよ。ほら、大丈夫だから泣き止めって。」
安心させる様に背中をぽんぽんしてやれば、更に泣き出す始末。困ったな。
昔、自分が泣き止まなかった時。周りの大人は、何をしてくれていただろうか。
「泣いて良いぞ。偶には思い切り泣くのも必要じゃ。」
唐突に思い出される、姐さんの声。
嗚呼、そうだったな。
其れなら。
靴を脱いで寝台に上がり、Aを優しく包み込んで顔を胸に埋めさせる。
中「泣けよ。思いっきり泣いちまえ。こうしてれば、俺にも見えない。だろ?」
ぎゅっと抱き込めば、襯衣の胸元を掴んで頭をぐりぐりと押し付けてくる。
中「嗚呼でも、布団は被ろうな。身体冷えちまう。」
Aを抱いたまま寝台に横になり、布団をかける。
初めて見た、Aの弱い部分。其れが如何しようもなく愛しく見えた。
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あぽー - コメントありがとうございます!最近ちょっと停滞してて…すみません……… (2017年12月19日 18時) (レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪影(プロフ) - すごく面白いです!!更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください!!!応援してます!! (2017年12月18日 18時) (レス) id: ef1099cfc1 (このIDを非表示/違反報告)
あぽー - 椎名唯乃さん» ありがとうございます!ぼちぼちですが更新していくので、今後とも是非ご贔屓に( ´∀`) (2017年12月16日 0時) (レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
椎名唯乃(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2017年12月15日 22時) (レス) id: 490a476d52 (このIDを非表示/違反報告)
あぽー - ぶっちゃけ、アニメ本編10話のアレが有りなら何でもアリなような気が…します。 (2017年12月11日 19時) (レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぽー | 作成日時:2017年11月18日 1時