71.あーん ページ23
森「こっち見て良いよ。」
中「はい。………それで、Aは。」
森「うーん、急性上気道炎だね。」
キュウセイジョウキドウエン？何だそれは。初めて聞いたぞ。
中「そ、其れはどのような病気でしょうか？真逆重い病気とか不治の病だとか云いませんよね⁈」
森「一寸落ち着きなさい中也君。全く君は、A君の事になると直ぐそうやって……過保護だねえ。」
中「首領、揶揄わないで下さい！Aは大丈夫なんですか⁈」
森「安心しなさい。急性上気道炎、つまり風邪だよ、普通の風邪。喉や鼻に来るから少し辛いだろうけれど、二、三日で良くなると思うよ。」
嗚呼、何だ、ただの風邪か。良かった………
数種類の薬を処方して、首領は帰った。
取り敢えず、熱冷ましは飲ませねえとなぁ。
粥でも作るか。
部下に使いを頼み、材料が揃ったところで調理開始。
袋から米と卵と生姜を出して、其の外を冷蔵庫に突っ込む。そう云えば昔風邪をひいた時、姐さんも卵粥を作ってくれたっけな。
出来上がった粥を椀に装い、匙とともに持って行くと、Aが起きていた。
中「何だ、起きたのか。大丈夫か？酷い熱だぞ。」
『すみません……大丈夫、です…』
そう云って起き上がろうとするが、如何見ても大丈夫じゃねえ。
中「嘘付け、大丈夫じゃねえだろ。顔真っ赤だぞ………ちょっ、おい！どこ行く気だ！」
粥をサイドボードに置き、慌ててAを寝台に戻す。
『だって、仕事に戻らないと……』
中「莫迦云ってンじゃねぇ、熱何度あると思ってんだ！39度近くあるんだぞ！今日は寝とけ、仕事は良いから。な？」
宥めるように云い聞かせるが、でも、と云って尚食い下がる。
中「あーじゃあ判った、今日の手前の仕事は一日寝てる事だ。いいな？」
『う、………はい。』
嗚呼、漸く薬飲ませられる。
中「粥作ったが、食えるか？少しでも食べねえと、薬が飲めねえし体力も戻らねえぞ。」
『…たべ…ます………』
中「おう、えらいぞ。………嗚呼そのままで良い、食わせてやるから。………ほら、口開けろ。」
ふーふー、と冷ましてから差し出せば、素直に口を開ける。何か餌付けしてるみてェだな。
『おいしい………』
率直な感想に、ふっと笑みが零れる。
中「そりゃァ何よりだ。」
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あぽー - コメントありがとうございます！最近ちょっと停滞してて…すみません……… (2017年12月19日 18時) (
レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪影(プロフ) - すごく面白いです！！更新楽しみにしてます！これからも頑張ってください！！！応援してます！！ (2017年12月18日 18時) (レス) id: ef1099cfc1 (このIDを非表示/違反報告)
あぽー - 椎名唯乃さん» ありがとうございます！ぼちぼちですが更新していくので、今後とも是非ご贔屓に( ´∀｀) (2017年12月16日 0時) (レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
椎名唯乃(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年12月15日 22時) (レス) id: 490a476d52 (このIDを非表示/違反報告)
あぽー - ぶっちゃけ、アニメ本編10話のアレが有りなら何でもアリなような気が…します。 (2017年12月11日 19時) (レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぽー | 作成日時：2017年11月18日 1時
