拾って部下にしたJKは元相棒の妹！？2

67.未だ未だ気付きはしない ページ19

然しだ。
彼奴も、選りに選って太宰なんかに目を付けられやがって。素直なAの事だから、俺が幾ら云おうが太宰にだってにこにこ愛想よく笑うンだろう。

嗚呼、胸糞悪ィ。


………いや待て。大体俺は、何でこんなに腹立ててンだ？

Aが探偵社と関わった事？
否違ェな。其れは別に如何でも良い。

矢っ張り太宰か。彼奴のせいだな、うん。

太宰の名が出るだけでも不愉快なのに、其れに加えてAと何やら仲が良さげだなんて、到底許せる事じゃねえ。



別に、嫉妬なんてしていない。

ただ、俺の部下が彼奴に手を出された事が気に食わねェだけだ。

唯、其れだけでしか無い。



ぐるぐる考えていると、Aが戻って来た。

嗚呼、矢っ張りこっちの方が似合ってる。
中「絶対そっちの方が良い。他の服も俺が買ってやるから、あれはもう着るな。良いな？」
『？………はい。』
青鯖に選んで貰った奴なんて着させねえ。



SideT

今日の仕事を終え、自室に戻る。

必死に平静を装ったけど、さっきからずっと心臓がバックバク。

目の前にあんな物を見せられて、こうならない方が可笑しい。
きっと間は10糎ちょいぐらいしか無かったと思う。兎に角近過ぎ。

近くで見た中原さんは一層恰好良くて、不謹慎だけど怒った顔も素敵だった…



翌日

本日は学校休み！四日間ずっと中原さんと一緒にお仕事出来るなんて、素晴らしき哉連休。

午前九時。執務室に行けば、中原さんは未だ来ていなかった。

一日の予定を確認し、給湯室へ。珈琲でも淹れていようか。


丁度珈琲が入る頃に、中原さんが来た。
中「おう、早ェなA。」
『あ！おはようございます中原さん。珈琲でも如何ですか？』
中「嗚呼、貰うか。今日の予定は？」
『本日は十一時から三の会議室で首領、紅葉の姐さんと共に会議です。黒蜥蜴が参加する事になった、港の五番倉庫の取引阻止ですが、作戦開始が二一〇〇で、四時ごろ広津さんが段取りを確認しに来る筈です。今日は夜の十時頃から雨の予報なので、任務の際は傘をお持ちください。』
中「そうか。ありがとな。」

中原さんは、私が何かすると全てにありがとな、とお礼を云ってくれる。此れが仕事で当り前の事にも、だ。

人間関係というもの感謝の気持ちが大切だよねぇ。マフィアと雖も、お礼は大切。

うん。矢っ張り、流石中原さん。
上に立つ者としてこうでなきゃ。

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