その文豪、腐女子につき。参！ (ページ28)

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漆拾話ページ28

此の手で相手に触れればこっちの勝ち！そう思って、取り敢えず島崎藤村に攻撃を繰り出す。

「うわぁ、お姉さん、細いのに随分と強い拳を出すんだね」

「呑気でいられるのも今のうちよ」

「それは“特大ブーメラン”ってやつでしょう？」

「なっ！？」

「敵は僕１人じゃないし、僕だって、“幹部”だよ？」

その言葉に唖然としているうちに、手には鋭い痛みが走る。

「っっ！」

異能力で顕現させた扇のため、こっちの異能力は効かない。

「うふふ？お姉さんみたいなつよーい人の、そういう顔、ぞくぞくしちゃう」

「それはどうも」

此の会話を交わしているうちにも、お互い攻撃を繰り返しているのだが、全く埒があかない。

すると突然、強い風が吹き荒れた。

「んもう、急に吹かせたら危ないったら。何時もいってるはずでしょ」

しまった。連携してしまえば…………こちらの勝ち目はかなり薄くなる。

「我が儘だなァ、幹部様よォ。ま、これで確実に加点だろ」

「そうだね」

………試してみるしかない。

もう、こっちの部下だって疲労がではじめている。

お互いが手練れだとあまり意味はないが…

――【地獄篇(インフェルノ)】〔等活〕

私は、“精神操作”の異能を発動した。