陸拾漆話 ページ25
prrrprrr…prrrprrr…
「あ、あの、時雨野さん、電話です。時雨野さん!時雨野さん!」
仕事をしているかな、休んでいるなほに代わって部屋に居てくれてる黒服さんが私の肩を叩く。
「……ん?あんまり触んないでもらえるかな?」
「す、すみません。何度もお呼びしたのですが、反応がなかったので…。それより、お電話です。」
「あ、それはごめんね。電話?あ、ああ……。」
ほとんど耳に音が入っていなかった。
暫く鳴って居るであろう電話にでる。
「はい、なんで」
《A!っ……先輩!バレました!すみません!来てはダ…》
ブツッ
言葉の途中で電話が切れた。まずい。時は来たれり、というやつだ。まったく嬉しくはないが。
でも、電話の奥で聞き覚えの有る声がした気がした。
{A、ほら、そっち行くと危ないから…お兄ちゃんの手に掴まって……}
その声が響く。頭がいたい。
「お兄ちゃん……?」
「時雨野さん?如何しました?」
「いや、なんでもないわ。」
そう、なんでもないはずなんだ。
「すぐにかなを呼んで。緊急事態。出動よ。他の人たちもよんで!すぐ!」
……きっと、首領はこの私の中の混乱もお見通しだ。だったら!良いじゃないの、なら、首領、貴方の掌の上で踊りましょう。
そして、敵を
地獄の炎で焼き尽くして差し上げましょう!!
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