陸拾陸話 ページ23
コンコン
「首領、入ってもよろしいですか。」
最近、よく来るなぁと思いつつ。
「入りたまえ。」
珍しく、すぐに返事が返ってきて、私は部屋にはいる。
「どうしたのかね?」
「首領は、Qを、この作戦に
Qは、組合に捕まった。
捕まったなら、
それに、Qは不可欠。
違いますか?」
部屋には沈黙が訪れる。
ただエリス嬢の笑顔だけが眩しい。
そうよ、とでも言わんばかりの笑顔だ。
「……分かりました。“怒りの葡萄”、ですね。」
異能力を調べていた私はそう答えた。首領にも分かっていただけたはずだ。
「私はね、異能力を暴走させれば、君の能力は開花すると思ったのだよ。
なぜなら……
君の異能力が発現したのも、ある事件による異能力の突然の暴走が原因だからだ。
覚えているかい?そのあと、私と太宰くんで君を拾ったのだよ。」
「は……?」
「だから、同じようにすれば、また分かることも有るはずだと思ってね。」
もう私の耳にはその言葉は聞こえていなかった。頭には、“なにか、悪いことが露見する”“なにか、悪いことが起こる”という警笛が鳴り響いていたから。
――そのなにか、は自分でもまだ分からないけれど。
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