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「今までストーカーみたいなことしてごめんね」

「ううん…いいの、私」








「もう辞めるから」という言葉は

彼に抱きしめられたことで喉の奥の方にするりと落ちていった。








街灯に照らされた2つの影が、ゆっくりと重なる。









「…ねえ、俺がAさんを守るから。

だから、これからも俺とずっと一緒にお弁当食べて欲しい。

跡取りだからとか関係なしに同じ歩幅で歩んでいきたいんだよ。


俺がAさんを支えて行くからさ、」









「もしオッケーなら、俺のプレゼント受け取ってくれませんか?」と彼は再び跪いて、私の顔を覗いた。








彼がスーツのポケットに手を入れると

程なくして出てきたのは見慣れた白い箱だった。









「え!?あれ!?コレじゃねえ!!」

「パールホワイト……」

「違う!!コレじゃないの!まあ、
コレもAさんにあげようとしたんだけどさあ…

はい、あげます」









彼が取り出したのはいつもコンビニで買っていた
私の愛用のたばこ。

でもそれは違うらしい。






仕切り直して左のポケットから取り出したのは、

小さい紫色のアクセサリーケース。







パカリと開けたその中身は

きらりと光るダイヤモンドの粒が施されたネックレスだった。








「……本物?」と聞くと彼は真剣にコクリと頷いた。








「コレはね。ちゃんと俺のバイト代で買ったの。

もうほんっとにめちゃくちゃ悩んだけど、絶対コレ似合うでしょって思ったら買ってたんだよね」








「貴女みたいにお仕事頑張って、輝いている人にぴったりだなあって思って」…と。







そんな言葉をかけてくれる人なんて今まで誰も居なかったせいで涙は必然的に頰を流れ落ちていた。








「ごめん、ありがとう」と言うと

「ねえそれどっち?!いい方?…ダメな方?」と
ラウールくんが困った様に笑う。









「………、いい方だよ」








そう言ったら目をいっぱい広げて驚くラウールくん。




ほんとに?と何度も確認して

コクコク頷いた私を引っ張って、きつく強く抱きしめた。








「……ああもう嬉しすぎる。
ねえ、俺のやつに付け替えてもいい?」


「…うん」


「首細いね、ほんとすっごい綺麗」


「…恥ずかしいよ」


「できた。……うわあ、
ほらもう、めっちゃ似合うじゃん」









「これからもよろしくね。俺のお姫様」。




そう言って彼は私の髪を優しく撫でて笑った。








End.

0 2 ✦ 優しい男友達 × Purple.→←.



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Haruno(プロフ) - mamemiyaさん» mamemiya様、お返事が遅くなり大変申し訳ありません😭💜さんのお話気に入って頂けて本当に嬉しいです!!そうなんです、少しのすれ違いがとんでもない後悔を生んでしまうこともあるかと思います…。こちらこそ素敵なコメントを有難うございました! (2023年4月22日 15時) (レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - 深澤さんの話が切なすぎて胸がぎゅーっと痛くなりました。好きって思ったらちゃんと伝えないといけないですね。切ないですが、素敵な話をありがとうございました。 (2023年4月16日 12時) (レス) @page18 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - あいさん» あい様最後まで見て下さりありがとうございます…!黄色さんでしたか!ご意見頂けて嬉しいです( ; ; )今回めちゃくちゃ更新早かったです笑 でも本当に無理はしていないんです!いつも書ける時に書いてるんですよ!その温かなお気持ちが嬉しいし感謝です!( ; ; ) (2021年10月3日 16時) (レス) id: c65c76f5bd (このIDを非表示/違反報告)
あい - 頑張り過ぎなHarunoさんへ今日は怒らせてください(笑)敬語遣わずごめんなさい!たまにこうなったら許してください。今日もラブです! (2021年10月3日 14時) (レス) id: 60ef7f07e2 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完結お疲れ様でした。 私の中での今回の一位はやはり黄さんです。優しく看病してくれるのが浮かんでもう(涙)素敵な人柄でしたよ! 今回も更新早いですね。きっと日々青い鳥も更新してくれてるはずなのに、読者に供給し過ぎです!ゆっくりしてっていつも心配になるぞ! (2021年10月3日 14時) (レス) id: 60ef7f07e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Haruno | 作成日時:2021年9月20日 15時

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